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学術選書183 廃棄物法制の軌跡と課題

  • 学術選書183 廃棄物法制の軌跡と課題

本体価格:5,000円 (税抜)

販売価格:5,500円 (税込)

制定から50年が経過した廃棄物処理法、その変容と今日に続く大いなる課題を分析・展望する。排出事業者の責任が十分に踏まえられた「廃棄物の処理」とはどのようなものか。排出事業者、処理業者、コンサルタント、規制行政機関、警察、住民など多様な関係主体と共に、「より佳き環境法」と持続可能な社会の実現を目指す。
・はしがき


◇第1部 廃棄物処理法の改正◇

◆第1章 廃棄物処理法2010年改正法

 1 「約束通りの法改正」? 
 2 2010年改正法に至る経緯
 3 2010年改正法の成立
  (1) 第174回国会における審議
  (2) 2010年改正法の概要
 4 排出事業者の責任強化
  (1) 汚染者支払原則と排出事業者処理責任
  (2) 産業廃棄物の事業場外保管届出制の創設
  (3) 処理状況確認の努力義務
  (4)  適正処理困難事由発生時の産業廃棄物処理業者からの通知義務づけと適切対応の義務づけ
  (5) マニフェスト制度の強化
 5 建設系廃棄物の処理における法的関係の整理
 6 廃棄物処理施設の維持管理対策の強化
 7 廃棄物処理業許可制度の合理化
 8 不適正処理対策の強化
 9 これからの廃棄物処理法

◆第2章 『廃棄物処理制度専門委員会報告書』にみる産業廃棄物規制の近未来図

 1 万全の準備をしての改正へ?
  (1) 宿題としての2017年改正
  (2) 検討の経緯
 2 「基本的視点」
  (1) 適正処理の更なる推進
  (2) 健全な資源循環の推進
 3 「制度見直しの主な論点」
  (1) 12項目
  (2) 排出事業者責任の徹底
  (3) 透明性の向上と電子マニフェスト
  (4) 不適正な取扱いに対する規制強化
  (5)  廃棄物等の越境移動の適正化に向けた取組及び廃棄物等の健全な再生利用・排出抑制等の推進に向けた取組
  (6) 優良循環産業の育成
  (7) 各種規制等の見直し
 4 何が「抜本的改正」か?
  (1) 2000年分権改革時の整理
  (2) 産業廃棄物行政における国と都道府県の役割
  (3) 基本的枠組みの再検討

◆第3章 廃棄物処理法― 2017年改正法有害使用済機器対応を中心に

 1 運命づけられていた改正
 2 2017年改正法に至る経緯
 3 2017年改正法の成立
  (1) 有害使用済機器対応の仕組み
  (2) 国会審議
 4 有害使用済機器の適正保管・処分
  (1) 従来の取組みと法制化:3.19通知
  (2) 一線を超えた改正法:「廃棄物等」への踏込み
  (3) 純粋業務用機器の除外
  (4) 施設概念の欠如:業の届出制 
 5 有害使用済機器規制の今後


◇第2部 適正処理確保のための法政策◇

◆第4章 総合判断説・再考

 1 定義規定の重要性
 2 廃棄物,一般廃棄物,産業廃棄物
  (1) 定義規定
  (2) 政令指定の産業廃棄物
  (3) 施行令2条各号のその向こう
 3 日常的な総合判断と「総合判断説」
 4 単純客観説から客観主義的総合判断説へ
  (1) 主観性の排除
  (2) 主観性の包含
  (3) 主観性の呪縛
  (4) 主観性の客観化
 5 重視されている「取引価値の有無」
 6 総合判断説を適用する判決
  (1) 混合再生砂事件
  (2) 水戸木くず事件
  (3) 徳島木くずボイラー事件
 7 副産物
 8 総合判断の再整理
  (1) 『行政処分の指針』
  (2) より重視されるべき「通常の取扱い形態」
  (3) 重視されすぎの「取引価値の有無」
  (4) 明示的に加えられるべき「需要の有無」
 9 循環基本法のもとでの再構成
  (1) 「廃棄物等」の意味
  (2) 裏の基幹法
 10 循環的利用の促進のための仕組み

◆第5章 総合判断説“5要素”の源流を求めて

 1 ある疑問 
 2 おから事件の2判決と1決定
  (1) 第1審判決
  (2) 控訴審判決
  (3) 最高裁決定
 3 昭和52年通知
 4 平成12年通知
 5 火元は検事?
  (1) 2検事の解釈
  (2) 最高裁判所調査官解説
 6 決定の真相

◆第6章 「義務的取消し」と効果裁量 ― 一般廃棄物処理業許可への適用の一断面

 1 「義務的取消制度」
 2 一般廃棄物許可取消しに関する現行法制度
  (1) 許可基準と裁量
  (2) 許可にあたっての効果裁量
 3 法改正の経緯:欠格要件の強化
  (1) 改正ごとの規制強化
  (2) 許可取消要件との連動
  (3) 役員兼務の場合の取消範囲拡大の論理
 4 2003年改正法:許可取消しの義務化
  (1) 改正の背景
  (2) 義務化をめぐる議論
  (3) 取消し義務化の「負の側面」
 5 比例原則
 6 裁量的とされていることの意味
 7 義務的とされていることの意味
  (1) 原則義務的
  (2) 産業廃棄物処理業許可に関して
  (3) 一般廃棄物処理業許可の場合
 8 今後の方向性

◆第7章 産業廃棄物規制における公法的手法と私法的手法

 1 環境法における「公法的手法」と「私法的手法」
 2 典型的警察規制法としての廃棄物処理法
  (1) 警察規制法
  (2) 産業廃棄物処理業許可の考え方
  (3) 産業廃棄物処理施設許可の考え方
 3 産業廃棄物処理業の特徴と法制度の限界
  (1) 通常の事業許可:「良貨が悪貨を駆逐する」
  (2) 産業廃棄物処理業許可:「悪貨が良貨を駆逐する」
 4 産業廃棄物処理施設の特徴と法制度の限界
  (1) よくわからない実態
  (2) 民事裁判における認識
 5 私法的手法による公法的システムの補完の必要性と困難性
  (1) 環境保全協定
  (2) 同意制
  (3) 私法的手法の過重負担
 6 私法契約領域への公法的手法の拡大
  (1) 「契約自由」の修正と規制強化
  (2)  情報提供による「優良」処理業者の選別:産業廃棄物処理優良性評価基準適合認定制度
 7 私人の活動の公法システムへの取込み
  (1) 第三者たる私人の関与
  (2) 住民の記録閲覧請求権
  (3) 行政権限発動促進権:神奈川県廃棄物不適正処理防止条例
 8 産業廃棄物規制の将来

◆第8章 東日本大震災と廃棄物対策

 1 従来の法制度枠組みを超える現象と対応
 2 東日本大震災以前の災害廃棄物法制
  (1) 「災害廃棄物」という文言
  (2) 廃棄物処理法と災害廃棄物
 3 2011年夏までの取組み
  (1) 初動対応
  (2) 災害廃棄物処理の対応方針の決定と実施
  (3) 放射性物質環境汚染対策方針の決定と実施
 4 災害廃棄物処理特措法
  (1) 立法の必要性と審議状況
  (2) 法制度の概要
  (3) いくつかの論点
 5 放射性物質汚染対処特措法
  (1) 立法の必要性と審議状況
  (2) 法制度の概要
  (3) いくつかの論点
 6 未知への対応


◇第3部 優良産業廃棄物処理業者認定制度◇

◆第9章 産業廃棄物処理業優良性評価基準適合認定制度と2010年改正法

 1 産業廃棄物処理業優良性評価基準適合認定制度の背景
  (1) 一般的なサービスの世界
  (2) 産業廃棄物処理の世界
  (3) 悪貨駆逐の方法
 2 産業廃棄物処理業優良性評価基準適合認定制度
  (1) 制度の概要
  (2) 制度の実績
 3 『廃棄物処理制度専門委員会報告書』
  (1) インセンティブ
  (2) 実地確認免除と公共調達の推進
 4 廃棄物処理法改正法案
  (1) 許可の更新期間の特例
  (2) 適用対象
  (3) 特例業者と基準不適合の発生
  (4) インセンティブの御利益
 5 産業廃棄物処理業優良性評価基準適合認定制度の将来

◆第10章 廃棄物処理法制定50年に向けての優良産業廃棄物処理業者認定制度の展開

 1 許可業者のランク付けの制度化
 2 制度の現在と実績
  (1) 優良産廃事業者認定制度の法律規定
  (2) 制度運用の状況
  (3) 制度参加のメリット
 3 聞こえてくる声
 4 優良産廃事業者認定制度の運用
  (1) 優良化するのは誰のため?
  (2) 環境配慮契約法の活用
  (3) 優良性認定基準の展開
 5 スーパー優良業者
 6 排出事業者側のインセンティブ
 7 産業廃棄物処理業者の今後

◆第11章 産業廃棄物処理業のこれまでとこれから

 1 清掃法のもとでの「汚物処理」
  (1) 汚物取扱業としての誕生
  (2) 市町村処理の脇役
 2 廃棄物処理法の制定
  (1) 排出事業者処理責任
  (2) 排出事業者による産業廃棄物の処理
  (3) 市場が求めた産業廃棄物処理業者
 3 産業廃棄物処理業許可の法的性質
 4 供給過剰時代の産業廃棄物処理業制度
 5 同一許可制のドグマ
 6 発想の転換
 7 スーパー優良業者の姿
 8 トップランナー方式の導入
 9 優良排出事業者という評価

   - - -

・事項索引
著者北村喜宣・著
発行元信山社
発刊日2019/05/24
ISBN978-4-7972-6783-9
CD-ROM無し
サイズA5判上製 (200ページ)

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