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企業損害保険の理論と実務

  • 企業損害保険の理論と実務

本体価格:6,000円 (税抜)

販売価格:6,600円 (税込)

各種企業分野の損害保険のうち、「財物」「利益」と「賠償責任」の保険を対象として、その理論と実務を解説。保険約款の説明とあわせて、具体的な商品の背景にある法制度や契約理論の解説に力点を置く。

《目 次》

はしがき(ⅰ)

第1部 企業損害保険の枠組みと特徴
第1章 企業活動における損害保険の重要性 3
1 リスクマネジメントの重要性 3
 1 事業とリスク(3)
 2 リスクマネジメントにおける損害保険の重要性(4)
2 損害保険以外のリスクファイナンス手法 5
 1 コミットメント・ライン(6)
 2 保険デリバティブ(6)
 3 キャット・ボンド(8)
 4 キャプティブ(9)
3 損害保険の仕組みと意義 10
 1 損害保険の仕組み(10)
 2 損害保険の意義・機能(13)
 3 損害保険の弊害(15)
 4 損害保険制度の限界(16)

第2章 企業分野の損害保険の生成と現状 18
1 損害保険の生成 18
2 日本における損害保険の生成 20
 1 損害保険事業の開始(20)
 2 さまざまな損害保険の販売(21)
 3 自由化の進展と損害保険の多様化(21)
 4 情報技術革新と新商品(22)
 5 グローバル化への対応(22)

第3章 企業損害保険に関する制度上の枠組み 24
1 損害保険とは何か 24
2 保険業法 25
 1 保険業法上の免許申請(25)
 2 免許審査基準(27)
 3 基礎書類の変更(27)
3 保険法 28
 1 適用(28)
 2 保険法における損害保険契約の定義(28)
 3 規律の性格(29)

第4章 損害保険の契約 31
1 保険技術面での要請 31
2 モラルハザードの排除等 33
3 損害てん補という方式 34

第5章 企業分野の損害保険の種類 36
1 保険業法上の商品種類 36
2 各種損害保険の分類 39
 1 個人保険と企業保険(39)
 2 海上保険と陸上保険(40)
 3 積極財産に対する保険と消極財産に対する保険(41)
 4 損害てん補の対象とする損害の種類による分類(41)
 5 ラージリスクとマスリスク(42)
3 損害保険商品の構成 43

第6章 企業損害保険の手配と保険金支払い 45
1 保険の募集主体 45
 1 保険の募集チャネル(45)
 2 募集人の法的立場(46)
2 保険募集時における募集人の義務 47
3 保険約款 48
4 保険料率 49
5 保険金支払処理 50

第7章 損害保険のグローバル・スキーム 52
1 背景 52
2 グローバルプログラムの構造 53

第8章 企業損害保険とリスク分散 55
1 共同保険 55
2 再保険 58
 1 再保険の意義(58)
 2 再保険の種類(58)
 3 再保険契約における約款(59)
 4 再保険契約における元受保険者と再保険者の関係(60)

第9章 企業損害保険の特徴61
1 多様性 61
 1 商品種類の多様性(61)
 2 保険の対象の多様性(62)
 3 約款文言の多様性(62)
2 大規模リスクとリスクの偏差 63
 1 大規模リスクへの対処(63)
 2 リスクの偏差(ばらつき)への対処(64)
3 保険利用者の「保護」対「柔軟性」 64
4 引受文言の複雑性・解釈上の困難性 65

第2部 企業損害保険の約款と保険法規整
第1章 保険約款の民法上の規整 69
1 保険約款の拘束力に関する従来の議論 69
2 定型約款に関する民法の規定 69
 1 定型約款の定義(70)
 2 定型約款の合意/不当条項規制(70)
 3 定型約款の内容の表示(71)
 4 定型約款の変更(72)
3 約款に関する保険会社の説明義務 72

第2章 保険約款の各条項と保険法の関係 75
1 補償条項 75
 1 保険事故(75)
 2 てん補すべき損害(79)
 3 免責事由(80)
 4 保険金の支払額(83)
 5 他の保険契約がある場合(重複保険)(86)
 6 火災保険のてん補範囲に関する特則(87)
2 基本条項 88
 1 保険期間/保険契約の更改(88)
 2 告知義務/告知義務違反による解除(88)
 3 通知義務/危険増加による解除(90)
 4 保険金額の調整(超過保険)(91)
 5 重大事由による解除(92)
 6 その他の保険契約の解除・失効(94)
 7 保険料の返還(95)
 8 事故発生時の義務(96)
 9 保険金の請求および支払時期(99)
 10 残存物代位(101)
 11 請求権代位(101)
 12 責任保険における先取特権(104)
 13 消滅時効(105)

第3章 企業損害保険における約款解釈 107
1 約款解釈に関する一般原則 107
2 文言解釈のあり方 108
 1 約款の構造(108)
 2 約款全体の統一性(109)
 3 法律の規定および用語との整合性(110)
 4 評価を伴う用語の解釈(111)
 5 特定分野の用語の使用(112)
 6 作成者不利の原則(112)
 7 契約当事者の意思の考慮(113)

第4章 企業損害保険に関する日本法の裁判例 115
1 保険金支払事由に関する裁判例 115
 1 機械保険における「不測かつ突発的な事故」の解釈(115)
 2 店舗総合保険における「落雷によって生じた損害」の解釈(118)
 3 建築家賠償責任保険における「滅失もしくは毀損」の解釈(122)
2 免責事由に関する裁判例 126
 1 財物保険における「自然の消耗もしくは劣化」による免責の解釈(126)
 2 生産物賠償責任保険(PL保険)におけるBusiness Risk免責条項の解釈(129)
3 その他 133
 1 店舗総合保険における「他の保険契約」および「1構内」の解釈(133)
 2 英文財物利益保険における「FFEQ(Fire Following Earthquake:地震に引き続いて発生した火災)」の解釈(136)

第3部 財物保険
第1章 意義と機能 145
1 財物保険の意義 145
2 財物保険の機能 146
3 財物保険の国際性 147

第2章 日本における財物保険の沿革 148
1 戦後復興期 148
2 規制緩和と保険自由化の進展 149
3 火災保険の担保範囲の拡大とオールリスク型化 149

第3章 財物保険の種類 151
1 財物保険の約款構成 151
2 企業財産包括保険 154
 1 企業財産包括保険の特徴(154)
 2 企業財産包括保険における「オールリスク型」の意義(155)
 3 企業財産包括保険と英米のオールリスク型保険約款の比較(157)
3 財物保険のグローバルプログラム 158
 1 財物保険のグローバルプログラムの仕組み(158)
 2 財物保険のグローバルプログラム事例(159)

第4章 財物保険の被保険利益と保険の対象 161
1 被保険利益 161
 1 財物保険の被保険利益とは(161)
 2 譲渡担保における被保険利益(161)
2 保険価額、一部保険、超過保険 162
 1 保険価額(162)
 2 一部保険(164)
 3 超過保険(165)
3 保険の対象に含まれる財物と含まれない財物 166

第5章 財物保険のアンダーライティング 168
1 財物保険におけるアンダーライティングのポイント 168
 1 財物保険共通のアンダーライティングのポイント(例)(168)
 2 リスクごとのアンダーライティングのポイント(例)(169)
2 財物保険のリスクの特性とアンダーライティング手法 171
 1 リスクの区分(171)
 2 エリアⅠのリスク(発生頻度は低いが損害規模が大きいリスク)への対応(172)
 3 エリアⅣのリスク(発生頻度は高いが事故1件あたりの損害額は小さいリスク)への対応(173)

第6章 財物保険の保険事故 174
1 保険事故 174
 1 保険契約成立条件としての保険事故の「偶然性」の意義(174)
 2 企業財産包括保険の保険事故の要件と立証責任(175)
 3 不測かつ突発的な事故(177)
 4 保険事故の要件に関する立証責任(180)
 5 「1事故」の意義(182)
2 列挙担保危険 186
 1 火災、落雷、破裂または爆発(186)
 2 風災、雹災、雪災(188)
 3 給排水設備事故の水漏れ等(190)
 4 騒擾・労働争議(190)
 5 車両・航空機の衝突(191)
 6 建物の外部からの物体の衝突(191)
 7 盗難(191)
 8 水災(192)
 9 電気的事故・機械的事故(192)
 10 その他偶然な破損事故等(193)
3 免責危険 193
 1 公益性・公序良俗・信義則に関する免責(194)
 2 異常危険免責(198)
 3 保険の目的の性質・瑕疵免責(199)
 4 ビジネスリスクに関する免責(204)
 5 設計、材質、製造の欠陥免責(205)
 6 その他の免責(208)
4 因果関係 208
 1 財物保険における因果関係(208)
 2 因果関係に関する日本の裁判例(209)

第7章 通知義務・損害防止義務 215
1 通知義務 215
2 損害防止義務 216
 1 損害防止義務の内容と義務違反の効果(216)
 2 損害防止費用(216)

第8章 損害額の算定 218
1 「損害」とは 218
2 損害額の算定 219
 1 保険法における損害額の算定(219)
 2 保険価額の算定方法(219)
3 免責金額およびコ・インシュアランス 221
 1 意義(221)
 2 免責金額の設定方式(222)
 3 免責金額の適用(222)

第9章 事故通知から保険金支払いまでの手続き 224
1 総説 224
2 事故通知 224
3 現場保存・損害防止義務 225
4 現場調査 225
5 保険金の請求に必要な書類 226
6 てん補責任の検討 227
7 保険金の支払い 228
 1 支払保険金の協定(228)
 2 保険金の支払時期(228)
 3 保険金請求権の消滅時効(229)
 4 残存物の帰属(229)
8 保険金請求者 229

第4部 利益保険
第1章 利益保険の意義と機能 233
1 意義 233
2 機能 233
 1 資産の毀損に起因する営業上の損失のてん補(233)
 2 サプライ・チェーンの寸断に起因する営業上の損失のてん補(235)
 3 検討のアプローチ 236

第2章 利益保険の沿革 238
1 イギリス 238
2 アメリカ 241
3 日本 244
 1 戦前(244)
 2 戦後(244)
 3 保険自由化以降(245)

第3章 利益保険の仕組み 247
1 利益保険の約款構成 247
2 利益保険の基本概念 248
 1 利益保険によりてん補される利益損失の意義(248)
 2 利益保険の被保険利益(250)
3 利益保険のてん補要件と利益保険の対象 251
 1 利益保険の担保危険とてん補要件(251)
 2 利益保険の目的物(252)
 3 敷地外物件補償特約(253)
 4 グループ間取引(254)
 5 操業開始遅延(254)

第4章 企業会計の仕組み 256
1 財務諸表の役割 256
 1 貸借対照表(256)
 2 損益計算書(257)
2 収益の認識と期間損益 257
 1 発生主義と実現主義(257)
 2 収益と費用(258)
3 売上総利益と営業利益 258
 1 卸売業の売上総利益と営業利益(258)
 2 製造業の売上総利益と営業利益(259)
4 直接原価計算と限界利益 261
 1 直接原価計算とは(261)
 2 直接原価計算と限界利益(261)
 3 変動費および固定費(262)
 4 営業収益の分析(262)

第5章 利益保険の用語と概念 264
1 営業収益 264
 1 営業収益(264)
 2 収益減少額(266)
 3 標準営業収益(267)
 4 標準営業収益等の公正な調整(267)
2 営業費用 272
3 営業利益 273
4 経常費 275
5 支出を免れた経常費 276
 1 意義(276)
 2 要件(277)
 3 具体例(277)
 4 海外の裁判例(278)
6 利益率と約定支払割合 279
 1 利益率と約定支払割合(279)
 2 利益率の公正な調整(282)
7 喪失利益282
 1 意義(282)
 2 財物保険の損害保険金との関係(283)
8 収益減少防止費用 284
 1 意義(284)
 2 要件(286)
 3 収益減少防止費用の具体例(288)
 4 営業継続費用(292)
9 保険金支払対象期間 293
 1 意義(293)
 2 特殊な保険金支払対象期間の具体例(295)

第6章 利益保険のアンダーライティング 299
 1 機械設備の内製化・汎用化状況(299)
 2 原材料等の在庫状況(299)
 3 事業継続計画(299)
 4 敷地外物件補償特約(300)

第7章 事故通知から保険金支払いまでの手続き 301
1 事故通知義務等 301
2 保険金請求に必要な資料 301
3 損害調査 302
 1 全体の把握(303)
 2 標準営業収益の検討(303)
 3 利益率の検討(303)
 4 保険金支払対象期間の検討(304)
 5 復旧方法、スケジュールの検討(304)
 6 収益減少防止費用の検討(304)
 7 喪失利益、支出を免れた経常費の検討(304)
 8 損害保険金の検討(304)
4 保険金の算出の方法 305
5 保険金の支払い 308

第5部 賠償責任保険
第1章 賠償責任保険の意義と機能 311
1 賠償責任保険の意義 311
2 賠償責任保険の機能 312
3 賠償責任保険の特徴 313
 1 被害者たる第三者の存在(313)
 2 損害賠償責任関係と保険関係の並存(314)
 3 原則として、被保険者の過失を担保(314)
 4 原則として、保険価額は算定できない(315)

第2章 賠償責任保険の沿革 316
1 欧米における沿革 316
2 日本における沿革 318
 1 賠償責任保険の誕生(318)
 2 高度経済成長期・安定期―社会事件の発生と賠償責任保険による対応(318)
 3 バブル経済期から崩壊期―法制度の整備と新たな賠償責任保険の登場(319)
 4 保険自由化以降―特約自由化と標準料率化による賠償責任保険の多様化(320)

第3章 賠償責任保険のアンダーライティング 322
 1 新たな法律の制定や法改正(322)
 2 科学技術や社会環境の変化(322)
 3 国や地域毎のリスク差(323)
 4 保険契約者や被保険者毎のリスク差(323)
 5 保険金支払額の確定に時間を要する(324)
 6 ロス・ディベロップメント・ファクターとロス・トレンド・ファクター(325)

第4章 賠償責任保険の分類 326
1 賠償責任保険の商品構成 326
2 和文および英文の賠償責任保険の約款構成 328
3 インデムニティ・ポリシーとディフェンス・ポリシー 329
4 グローバルプログラム 331

第5章 賠償責任保険の被保険者と「他人」 334
1 被保険者 334
2 他?人 334
3 英文約款における被保険者と他人 336

第6章 賠償責任保険の保険事故 338
1 賠償責任保険の保険事故とは 338
2 保険事故とトリガー 340
3 和文約款および英文約款における保険事故とトリガー 342
 1 和文約款における保険事故とトリガー(342)
 2 英文約款におけるトリガー(344)
4 米国のISO約款におけるトリガー 346
5 保険事故と保険金請求権の消滅時効との関係 347
6 保険事故と通知義務との関係 348

第7章 賠償責任保険の担保危険と免責危険 350
1 担保危険 350
 1 総説(350)
 2 身体の障害または財物の損壊(351)
 3 「~について」(357)
 4 法律上の損害賠償責任(358)
2 免責危険(保険金を支払わない場合) 359
 1 総説(359)
 2 和文約款の免責危険(360)
 3 保険金を支払わない場合(和文約款7条)(361)
 4 保険金を支払わない場合(和文約款8条)(363)
 5 PL保険固有の免責条項(Itself免責、不良完成品・不良製造加工品免責、不完全財物免責)とリコール義務違反(368)
 6 米国のISO約款における「電子データに関する免責条項」(376)

第8章 てん補すべき損害 378
1 賠償責任保険の保険給付 378
 1 損害てん補給付(378)
 2 防御給付(379)
2 支払われる保険金の種類 382
 1 和文約款において支払われる保険金(382)
 2 英文約款において支払われる保険金(390)
3 損害てん補の方法と支払限度額・免責金額394
 1 損害てん補の方法および「支払限度額」(394)
 2 免責金額(396)

第9章 事故通知から保険金支払いまでの手続き 398
1 事故発生時の義務 398
 1 和文約款(398)
 2 英文約款(海外PL約款)(398)
2 損害賠償請求の解決 399
3 求償権の保全と行使の確保 401
4 保険金請求に必要な書類 402
 1 和文約款(402)
 2 英文約款(海外PL約款)(402)
5 損害調査 403
 1 和文約款(403)
 2 英文約款(海外PL約款)(405)
6 保険金の支払い 405
 1 保険金請求権の消滅時効(405)
 2 先取特権(406)
 3 重複保険(408)

第10章 その他主要な賠償責任保険および費用保険 410
1 D&O保険 410
2 サイバーリスク保険 413
 1 サイバーリスクとは(413)
 2 サイバーリスク保険(414)
3 生産物回収費用保険(リコール保険) 416


主要参考文献 419
事項索引 427

著者紹介および執筆分担 433
著者中出 哲/嶋寺 基・編著
発行元成文堂
発刊日2021/07/30
ISBN978-4-7923-4268-5
CD-ROM無し
サイズA5判上製 (453ページ)

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