法律家のための 相続預貯金をめぐる実務

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法律家のための 相続預貯金をめぐる実務

販売価格: 3,300円 税込

著者
本橋総合法律事務所・編
発行元
新日本法規
発刊日
2019-10-21
ISBN
978-4-7882-8629-0
CD-ROM
無し
サイズ
A5判 (229ページ)
最も身近な財産の相続問題を詳解!

◆相続法改正や判例変更の影響が大きい相続預貯金について、実務に精通する弁護士が執筆した確かな内容です。
◆第1章では、預貯金の相続に関係する法制度や手続、判例などを網羅的に取り上げ、実務上の論点を解説しています。
◆第2章では、預貯金の相続で問題になりやすい事案をケースとして設定し、対応時のポイントを示しています。

目次

はじめに
1 預貯金の相続の重要性
2 使途不明金問題の増加
3 最高裁大法廷平成28年12月19日決定の影響
4 民法の改正
5 本書の狙い

第1章 相続預貯金の法律知識

第1 預金契約の法的性質
1 消費寄託説
2 無名契約説
3 判 例
4 近年の学説
(1) 預金口座と預金債権の区分説(枠契約説)
(2) 預金債権の法的性質
5 平成29年法律44号による改正後の民法の条文

第2 預貯金の相続に関する基本的法律論
1 預金者の死亡による預貯金契約の効力
(1) 消費寄託契約と解する説
(2) 消費寄託と委任又は準委任契約の混合契約と解する説
(3) 最高裁平成21年1月22日判決
(4) 預金者死亡の場合の銀行実務の取扱い
2 可分債権は、相続開始と同時に当然に分割されるか
(1) 判例(分割債権説)
(2) 学 説
3 可分債権が遺産分割の対象となるか
(1) 実務(分割対象除外説と合意説)
(2) 学説(二重の共有説・計数上の分割説)
4 預貯金債権は、可分債権か

第3 最高裁大法廷平成28年12月19日決定の内容
1 概 要
(1) 事 案
(2) 第一審・抗告審
(3) 上告審
2 補足意見
(1) 岡部喜代子裁判官の補足意見
(2) 鬼丸かおる裁判官の補足意見
(3) 木内道祥裁判官の補足意見
(4) 大橋正春裁判官の意見
3 射程範囲及び今後の課題
(1) 可分債権の分割債権説及び分割対象除外説
(2) 預貯金債権の遺産分割の基準時
4 共同相続人に係る不動産から生ずる賃料

第4 預貯金と遺言
1 遺言の効果
(1) 包括遺贈・特定遺贈
(2) 相続分の指定
(3) 遺産分割方法の指定
(4) 小 括
2 預貯金と遺贈
(1) 法定相続人以外の者へ預貯金を特定遺贈する場合
(2) 法定相続人以外の第三者へ預貯金債権を含む相続財産が包括遺贈されている場合
(3) 法定相続人へ預貯金債権を特定遺贈する場合
3 預貯金と「相続させる」遺言(特定財産承継遺言又は相続分を指定する遺言)
(1) 遺言による相続分の指定と預貯金債権
(2) 遺言による遺産分割方法の指定と預貯金債権
4 遺言執行実務との関連
5 預貯金の解約払戻し・名義変更
6 貸金庫の開扉
(1) 貸金庫契約の法的性質
(2) 貸金庫と遺言書
(3) 判 例
(4) 一部相続人からの貸金庫開扉請求

第5 預貯金と遺留分減殺・遺留分侵害額請求
1 従来の遺留分制度
(1) 遺留分減殺請求権の法的性質
(2) 従来制度の問題点
2 改正後の遺留分制度
(1) 遺留分侵害額請求の法的性質
(2) 受遺者・受贈者の負担額
(3) 受遺者又は受贈者の保護
3 預貯金と遺留分
(1) 預貯金と従来制度
(2) 預貯金と改正後の扱い

第6 金融機関に対する預貯金の払戻請求
1 遺言がない場合に行う相続預貯金の払戻請求
(1) 通常のケース
(2) 便宜払いの可否
(3) 一部の相続人が相続放棄をした場合
(4) 限定承認がなされた場合
(5) 一部の相続人が相続分の放棄や譲渡を行っている場合
(6) 相続人の一人が行方不明となっている場合
(7) 相続人に未成年の子がいる場合
(8) 預金者が死亡した後、さらに相続人が死亡した場合
(9) 成年後見人が払戻請求する場合
2 遺言がある場合に行う相続預貯金の払戻請求
(1) 受益相続人が行う払戻請求
(2) 受遺者が行う相続預貯金の払戻し
(3) 遺言執行者が行う払戻請求
(4) 遺言で指定された受益相続人や受遺者が既に死亡している場合
(5) 遺言と異なる遺産分割協議書を提出する場合
(6) 遺言に不備がある場合
(7) 遺言において預貯金の特定が不十分な場合

第7 相続開始前の被相続人の預貯金の無断払戻し
1 問題の所在
2 遺産分割調停における使途不明金問題の取扱い
(1) 相続人全員の同意がなければ遺産分割の対象とならないこと
(2) 使途不明金が特別受益となる場合
3 訴訟における使途不明金の請求と請求原因
(1) 不法行為(民法709条)
(2) 不当利得(民法703条)
(3) 委任又は準委任を根拠とする受取物引渡義務(民646)
4 被相続人の損害ないし損失
(1) 不法行為における「損害」
(2) 不当利得における「損失」
5 預貯金の引出行為
(1) 被告において引出行為に全く関与していないと主張する、あるいは、引出行為が長期間・多数回にわたるときにその一部を否認する場合(関与否認型)
(2) 引出行為に関与したことは認めつつ、被相続人が引き出すのを手伝った(金融機関まで付き添った)だけであるから、引出行為はあくまでも被相続人によるものであると主張する場合(補助主張型)
(3) 被告が自ら引き出したことを認めつつ、引き出した金銭を被相続人に交付したと主張する場合(本人交付型)
6 預貯金の引出権限の存否
(1) 前 提
(2) 包括的な授権ないし承諾
(3) 個別的な授権ないし承諾
(4) 意思表示を介さない引出権限(夫婦の婚姻費用等)
7 払戻金の使途
(1) 被告が使途につき何ら説明しない場合
(2) 被告が一定の説明をするが、裏付ける証拠がない場合(あるいは証拠が不十分の場合)
(3) 払戻金は被相続人へ交付したと主張し、その使途は不明であるとする場合
8 賠償請求又は返還請求し得る範囲
9 使途不明金問題の訴訟

第8 相続開始後の遺産預貯金の無断払戻し
1 問題の所在
2 最高裁大法廷平成28年12月19日決定以前の考え方
3 最高裁大法廷平成28年12月19日決定以後の考え方
(1) 払戻金を遺産分割の対象とする合意がある場合
(2) 払戻金を遺産分割の対象としない場合の不公平
4 相続法改正による変更(遺産の分割前に遺産に属する財産を処分した場合の遺産の範囲の規定の新設)
5 改正民法906条の2における取扱い
(1) 遺産分割前に遺産に属する財産が全て処分された場合
(2) 遺産分割前に遺産に属する財産を処分したのが共同相続人以外の第三者である場合
(3) 改正民法906条の2第1項の共同相続人の同意の撤回
6 みなし遺産確認の訴え

第9 名義預金
1 名義預金の意義
2 預金者の判断基準(対金融機関の訴訟)
(1) 客観説
(2) 主観説
(3) 折衷説
(4) 無記名定期預金
(5) 記名式定期預金
(6) 普通預金
3 名義預金の判断基準
(1) 課税処分庁と納税者との間の係争
(2) 預金と相続財産(課税処分庁との係争)
4 相続人ら間の係争
(1) 判断基準
(2) 預金と遺産確認訴訟
(3) 争 点
(4) 遺産確認訴訟
(5) 判決確定後
(6) 被相続人の所有していた預貯金債権

第10 遺産の一部分割と仮分割仮処分
1 概 要
2 遺産の一部分割
3 仮分割仮処分
(1) 要 件
(2) 効 果

第11 取引履歴等の開示
1 残高証明書や取引履歴の開示請求
(1) 概 要
(2) 最高裁平成21年1月22日判決
(3) 取引履歴の開示請求をする場合の実務上の留意点
(4) 開示請求をする場合の必要書類
2 振込依頼書や払込伝票等の開示請求
(1) 概 要
(2) 開示請求の可否
3 預貯金債権を取得しない相続人による請求
(1) 概 要
(2) 遺留分減殺請求権
(3) 相続法改正
4 遺言執行者による請求
(1) 概 要
(2) 開示請求の可否
(3) 遺言執行者の職務との関係
5 預貯金解約後の請求
(1) 概 要
(2) 開示請求の可否
6 弁護士会照会による開示請求
(1) 概 要
(2) 弁護士会照会への回答義務の存否
(3) 弁
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