本書は、交通事故鑑定の第一人者である著者が贈る捜査に役立つ事例集の第２弾です。
歩行者対四輪車・自転車対四輪車・二輪車(単独・二輪車同士・対四輪車)・四輪車(単独・四輪車同士)・ひき逃げ事故・タイヤバースト事故・その他(危険運転・凍結路面の事故)など２４事例を厳選して掲載しています（第１弾『事例から学ぶ交通事故事件』の掲載事例との重複はありません）。
事例ごとに警察の初動捜査、検察の対応、判決の流れを追いながら、写真・図版をできる限りカラーで掲載、よりリアルな捜査資料で事故事件捜査を体感できます。
事故の真相解明に必要な計算式も余すことなく掲載し、実際の捜査への応用も可能です。
目次

第１章　歩行者対四輪車の事故

事例１－１　子供の轢過事故
―子供は生垣から道路に飛び出したか否か―
事例１－２　低速度で衝突した歩行者事故の解析
事例１－３　歩行者に後方から衝突し，轢過しようとした殺人未遂事件
第２章 自転車対四輪車の事故

事例２－１　１審判決は有罪，２審では，一転，無罪となった交通事故事件
―自転車の飛び出しに対して衝突が避けられたか否か―
事例２－２　左折時に児童運転の自転車を巻き込んで逃走した事件
第３章　二輪車の事故

事例３－１　起訴に数年を要した少年の否認事件（バイク運転者特定）
事例３－２　刑事事件で起訴できなかった自動二輪車同士の衝突
第４章　二輪車対四輪車の事故

事例４－１　一時停止義務のある直進する四輪車両と二輪車の出会い頭衝突事故
―直進する四輪車両は一時停止して発進したか否か―
事例４－２　鑑定困難な二輪車事故の速度解析について
事例４－３　転倒擦過して衝突した二輪車事故の速度解析事例
事例４－４　直進する二人乗り自動二輪車と右折する自動車の衝突事故解析
第５章　四輪車の事故
四輪車単独
事例５－１　高速度で走行したことにより車両の制御を失った交通事故
―限界旋回速度を超えた事故か太鼓橋をジャンプしたための事故か―
四輪車同士
事例５－２　エアバッグコントロールユニットを用いた速度鑑定事例
事例５－３　雨天時にカーブで横滑りして正面衝突した危険運転致死事件
事例５－４　急加速によるスリップか，路面の摩擦係数が低いために起きたスリップか
事例５－５　高裁が１審の判決を破棄した危険運転致死事件
事例５－６　危険運転致死事件における速度算出の車体変形測定方法に異議を申し立てた事案
事例５－７　２名が自動車競走を共謀し，一般道を高速度で走行し，殊更赤信号無視して事故に至った危険運転致死傷事件
第６章　ひき逃げ事故

事例６－１　歩行者事故
―衝突後に逃走して被害者を車底部に巻き込み引きずった殺人事件―
事例６－２　追突のトラブルから被害者を車底部に巻き込んで逃走した殺人未遂事件
事例６－３　ひき逃げ事件が殺人事件と判明した事案について
第７章　タイヤバースト事故

事例７　事故の原因をタイヤの故障を理由に無罪を主張した危険運転被告事件
第８章　その他の事故

事例８－１　危険運転として起訴した暴走運転行為
事例８－２　原判決破棄差戻し事案
―凍結路面で事故回避可能か不可能かが争われた事案―