平成26年・令和元年会社法改正、令和元年金融商品取引法改正を踏まえ、会社をめぐる問題を多角的に検討。企業の社会的責任(CSR)、株主総会のIT化、社外取締役の機能、取締役報酬の規制、監査役の責任、上場会社の情報開示、暗号資産と情報開示などのテーマを含む32本の論考を収録。
目次
第1編 会社法
会社法の改正課題について[尾崎 安央:早稲田大学法学学術院教授]
第1部 会社法総則・設立・株式
株式に関する制度の整理課題[山本 爲三郎:慶應義塾大学法学部教授]
ドイツ有限会社法改正史―ナチスの有限会社法改正論を中心に[高橋 英治:大阪市立大学大学院法学研究科教授]
企業の社会的責任(CSR)のソフトロー化と可能性[髙橋 公忠:九州産業大学名誉教授]
現物出資・財産引受け・事後設立[笠原 武朗:九州大学大学院法学研究院教授]
自己新株予約権の取得・処分[中村 信男:早稲田大学商学学術院教授]
第2部 機 関
株式会社の機関制度の改正課題[北村 雅史:京都大学大学院法学研究科教授]
株主総会プロセスの電子化―対話促進のための課題と展望[上田 純子:愛知大学大学院法務研究科教授]
少数株主が支配株主を訴える方法―動機付け交渉の観点から[宍戸 善一:武蔵野大学法学部教授]
取締役会の機能の実質化―アメリカの学説を手がかりに[志谷 匡史:神戸大学大学院法学研究科教授]
社外取締役のモニタリング機能とステークホルダー利益考慮義務[伊藤 壽英:中央大学大学院法務研究科教授]
会社法350条の責任―債権者別にみた運用事例と令和元年改正との関係について[髙木 康衣:熊本大学大学院社会文化科学教育部・熊本創生推進機構准教授]
フランス法における親会社取締役による子会社管理行為の捕捉[清水 円香:立命館大学法学部准教授]
会社の補償[山田 泰弘:立命館大学法学部教授]
経営者報酬の決定に対する株主の関与―ドイツにおける近時の動向を中心に[野田 輝久:関西学院大学大学院司法研究科教授]
取締役の報酬決定について―解任時における損害賠償額との関係を念頭に[横尾 亘:西南学院大学大学院法務研究科准教授]
第三者委員会と監査役[砂田 太士:福岡大学法学部教授]
社外監査役の社内情報収集と責任[千手 崇史:近畿大学経営学部准教授]
「監査役監査基準」の裁判規範における位置付けに関する若干の考察[張 笑男:長崎大学経済学部准教授]
第3部 計算公開・資金調達
計算公開・資金調達の改正課題について[片木 晴彦:広島大学大学院人間社会科学研究科教授]
のれんの会計処理[牧 真理子:福岡大学法学部准教授]
計算書類等の不作成[弥永 真生:明治大学大学院会計専門職研究科教授]
第三者割当による新株発行規制の検討―平成26年改正を中心に[尾関 幸美:中央大学大学院法務研究科教授]
第4部 定款変更・組織再編・持分会社ほか
定款変更・組織再編・持分会社ほかの改正課題について[德本 穰:九州大学大学院法学研究院教授]
ドイツ有限会社法におけるデッドロック状態解消の手段としての持分強制消却について[久保 寛展:元福岡大学法学部教授]
特別支配株主の株式等売渡請求―売渡株主等の保護と救済の検討を中心に[受川 環大:明治大学専門職大学院法務研究科教授]
会社分割制度の立法論的課題[原 弘明:関西大学法学部教授]
会社従属法の設立準拠法の適用範囲[伊達 竜太郎:沖縄国際大学法学部教授]
第2編 金融商品取引法
金融商品取引法の改正課題―会社法との関係を中心に[川口 恭弘:同志社大学法学部教授]
上場会社の経営者の健康状態等に関する情報の開示[藤林 大地:西南学院大学法学部教授]
電子記録移転権利と情報開示[柳 明昌:慶應義塾大学法学部教授]
虚偽の情報開示に関する民事責任制度のあり方[和田 宗久:早稲田大学商学学術院教授]