至誠堂書店

捜査実例中心 刑法総論解説 第3版

捜査実例中心 刑法総論解説 第3版

販売価格: 4,070円 税込

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著者
幕田英雄・著
発行元
東京法令出版
発刊日
2022-10-25
ISBN
978-4-8090-1451-2
CD-ROM
無し
サイズ
A5判 (648ページ)
「擬律判断」や「捜査の指針確立」に資する実戦的解説書初版以来、初学者にも分かりやすく、実戦で使いやすい構成を追求。捜査実例とアドバイスを多数紹介し、「捜査マニュアル」として、捜査幹部のハイレベルなニーズにも対応。判例や捜査上の留意点のアップデート最高裁平成30年12月11日判決を題材にした、特殊詐欺事件の取調べにおける留意点や共謀の認定に向けた効果的な証拠収集方策など、近時の判例動向や捜査手法の進展を踏まえ、アドバイスを随所に補充!実務上必要な論点に絞り込み、スリム化純粋な学説紹介は割愛し、現役捜査官等実務家の意見を踏まえ、実務で真に必要とされる知識を多数追加。さらに効率の良い学習と応用が可能に!
目次

第1編 刑法総論入門
設問1 刑法総論入門①
事件検討の手順について
[1] 犯罪成立要件の検討手順
[2] 一般的な事件検討の手順
1 構成要件該当性判断―(その1)
客観的構成要件要素の存在の確認
2 構成要件該当性判断―(その2)
構成要件的故意の存在の確認
3 構成要件該当性判断―(その3)
構成要件的過失の存在の確認
4 違法判断と責任判断
[3] 設問における捜査事項
1 因果関係
2 故意・過失の確定
3 正当防衛・過剰防衛の成否
4 責任能力の有無・程度
設問2 刑法総論入門②
共犯事件検討の手順について
[1] 基本的構成要件と修正された構成要件
[2] 共犯が成立するための固有の要件
1 共犯
2 共同正犯に問うことの捜査上の利点
3 共同正犯の要件
[3] 設問における捜査事項
設問3 刑法総論入門③
未遂事件検討の手順について
[1] 未遂犯が成立するための固有の要件など
1 「構成要件の充足」という意味
2 未遂罪・予備罪の意味
3 実行の着手の意味
[2] 設問における捜査事項
刑法総論学習に関するQ&A
Q1 捜査官が刑法総論をマスターすれば、捜査実務上どんな効果があるか?
Q2 捜査官にとって必要な刑法総論上の知識と、大学生に必要な知識との違いはあるか?
Q3 捜査官は犯人を検挙し事実関係を解明するのが本分で、刑法総論の理論に関する判断は検察官や裁判官に任せればいいのではないか?
Q4 刑法総論では刑法の条文にない論点も取り扱われるが、法律の根拠のない論点が実務で重視されるのはどうしてか?
Q5 判例はどのように勉強すればよいか?
Q6 学説はどのように勉強すればよいか?
Q7 刑罰論や罪数論の勉強の仕方はどうすればよいか?
Q8 本書と併行して読むべき一般の教科書としては、どのようなものがあるか?
第2編 構成要件該当性判断
設問4 因果関係(その1)
因果関係論の基礎知識
[1] 因果関係の意義
[2] 自然的因果関係
1 意義
2 条件関係
? 作為犯の場合
? 不作為犯(故意犯・過失犯)の場合
3 条件関係検討の際の留意点
4 自然科学的結び付きの検討
[3] 刑法上の因果関係
1 条件説
? 条件説の問題点
? 因果関係の中断論・断絶論
2 相当因果関係説
? 判断基底論
? 相当性判断
? 相当性判断の具体的プロセス
? 相当因果関係説の問題点
3 判例
? 大審院、最高裁の立場
? 「危険の現実化」―近時の最高裁の判断枠組み
? 危険の現実化の判断枠組みを明示した判例
? 今後の実務の在り方
アドバイス[1]
設問5 因果関係(その2)
特異事情の存在(介入)と因果関係
[1] 被害者の身体的特異事情が結果発生を促進した場合
1 判例
2 「危険の現実化」の判断枠組みの当てはめ
[2] 被害者や第三者の行為が介入した場合
1 被害者の行為が介入した場合
2 第三者の過失行為が介入する場合
3 第三者の故意行為が介入する場合
4 被害者や第三者の行為が介入する場合への「危険の現実化」の判断枠組みの当てはめ
? 当初の行為と結果との結び付きが決定的なとき
? 当初の行為と結果との結び付きが決定的でないとき
5 実例による検討
[3] 行為者自身の事後行為が介入する場合
1 故意行為の後に過失行為が介入する場合
2 過失行為の後に故意行為が介入する場合
3 故意行為の後に故意行為が介入した場合
4 過失行為の後に過失行為が介入した場合
アドバイス[2]
設問6 因果関係(その3)
因果関係に関する捜査
アドバイス[3]
設問7 不作為犯
不作為犯
[1] 不作為犯とは
1 真正不作為犯
2 不真正不作為犯
[2] 不真正不作為犯の成立要件
1 法律上の作為義務の存在
? 道徳的義務との区別
? 法律上の作為義務の発生根拠
? 条理を根拠に作為義務を認めた実例
2 作為容易性・結果回避可能性の存在
3 主観的要件
アドバイス[4]
設問8 故意(その1)
故意とは何か(入門)
[1] 故意とは何か
1 故意の意義と、刑法体系上の位置づけ
2 故意の検討順序
3 まとめ
[2] 構成要件的故意―その成立要件
[3] 構成要件的故意―認識・認容の対象となるべき事実
1 捜査実務上の重要性
2 認識・認容の対象
3 例外―結果的加重犯
4 詳細にわたる認識・認容の要否
[4] 故意以外の主観的構成要件要素
1 目的犯
? 意義
? 営利目的
2 傾向犯
? 意義
? 性的意図を必要とする古い判例
? 性的意図を不要とした最高裁大法廷判決
? 行為者の目的等の主観的事情についての捜査の必要性
3 表現犯
アドバイス[5]
◆コラム①
設問9 故意(その2)
故意の種類
[1] 故意の種類に関して、どういうことが問題になるか
1 故意の種類
2 過失との区別
[2] 確定的故意と不確定的故意
[3] 未必の故意と認識ある過失
1 未必の故意
? 定義
? 認容とはどういう心理状態か
2 認識ある過失
3 未必の故意と認識ある過失の区別の判断基準
? 判断基準―認容の有無
? 裁判例
[4] 条件付故意
1 条件付故意とはどういうものか
2 条件付故意の構成要件的故意としての資格
アドバイス[6]
◆コラム②
設問10 故意(その3)
間接事実による故意の立証
[1] 間接事実による立証の必要性
[2] 殺意立証のための間接事実
1 犯行の遠因に関するもの
2 犯行の直接的動機に関するもの
3 犯行の態様(行為自体の客観的危険性、行為の強さ・執拗さなど)に関するもの
? 行為の客観的な危険性
? 行為の強さ・執拗さ
4 行為の危険性についての被疑者の認識・意図(特に攻撃部位についての認識・意図)
5 結果の内容(結果の重大さなど)
6 犯行後の被疑者の言動
7 同種前科・前歴の有無・内容
[3] 間接事実によって殺意を立証する際に考慮すべき事項
1 前記間接事実のうち、特に決定的な事実は何か
2 行為の危険性についての被疑者の認識・意図の推認方法
アドバイス[7]
設問11 故意(その4)
構成要件該当事実の認識の意義
―意味の認識と違法性の意識の区別―
[1] 記述的構成要件要素と規範的構成要件要素
[2] 構成要件該当事実の認識
1 一般に要求される認識の内容
2 規範的構成要件要素の認識
3 意味の認識として必要な認識
? 専門家レベルの意味の認識は不要
? 素人なりの認識のレベルで足りる
? 意味の認識がある以上、法的評価を誤っても故意の成立に影響なし
[3] 「意味の認識」と「違法性の意識」との区別
1 区別の必要性
2 区別の困難性
[4] 「意味の認識」の問題か、「違法性の意識」の問題か
1 法律的概念
? 「他人性」
? 「無許可」
? 「無免許」
2 行政取締法規による禁止と密接関連した構成要件
3 行政法規における技術的・専門的規定の構成要件
? 薬物取締法令違反事案における薬物名
? 毒物取締法令等違反事案における禁止毒物名等
アドバイス[8]
設問12 故意(その5)
具体的事実の錯誤
[1] 事実の錯誤
1 錯誤とは
2 事実の錯誤とは
3 錯誤論の検討順序
[2] 事実の錯誤の種類
1 具体的事実の錯誤と抽象的事実の錯誤
? 具体的事実の錯誤
? 抽象的事実の錯誤
2 客体の錯誤と方法の錯誤
? 客体の錯誤
? 方法の錯誤(打撃の錯誤)
[3] 事実の錯誤の処理に関する見解
1 学説
? 抽象的符合説
? 具体的符合説
? 法定的符合説
2 判例
3 法定
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