事例分析による 税賠事故リスク回避マニュアル

事例分析による 税賠事故リスク回避マニュアル

販売価格: 3,960円 税込

著者
窪澤朋子・著
発行元
日本法令
発刊日
2023-01-13
ISBN
978-4-539-72940-3
CD-ROM
無し
サイズ
A5判 (432ページ)

専門家責任訴訟の中でも税賠訴訟が顕著に多いのは、損害の金額が明確であること、また詳細な通達やQ&Aがあることで、後からその原因(ミス)が発覚してしまうからと言えるだろう。
税法規定は毎年目まぐるしく改正されることに加え、AIの発達やDXの到来、自然災害や感染症対策等、税理士を取り巻く環境は常に変化しており、それだけ税賠のリスクも高まる。
本書は、消費税、所得税、法人税、相続・贈与税の各税法の保険事故事例と裁判事例を分析し、事故につながるミスの予防策を詳解している。
今すぐにでもできる事務所の環境整備や実践手法におけるヒントも惜しみなく掲載している。

目次
第1章 税賠とは
Ⅰ 税賠の概要
1 税賠のパターン
2 損害賠償請求が認められるためには
3 損害賠償請求の態様
4 過失相殺

Ⅱ 賠償すべき額

Ⅲ 税賠発生から解決まで
 1 交渉段階
 2 訴訟段階
3 紛議調停

Ⅳ パターンに応じた予防策
 1 税理士のミスが明らかである場合
 2 税理士の責任の有無が争いとなる場合
 3 契約書による具体的なリスクヘッジの手法

第2章 税賠保険事故事例の分析
Ⅰ 消費税
1 届出書の提出失念
2 税区分の誤りの継続
3 税法の確実な理解
4 決算期に関する事前のアドバイス

Ⅱ 所得税
1 各種特例の適用誤り
2 相続に関連した申告誤り
3 上場株式等に関連する誤り
4 スポット対応が必要となる場合のリスク
5 繁忙期への対応
6 申告書の提出時期
7 不動産や株式の取得費と譲渡益
8 継続的なコミュニケーションの重要性

Ⅲ 法人税
1 優遇税制の適用漏れ
2 事前確定届出給与に係る届出書の提出失念
3 青色申告承認申請書提出失念
4 更正の請求の期限徒過
5 前期に適用していた特例や控除の適用漏れ
6 特殊法人の処理

Ⅳ 相続・贈与税
1 小規模宅地等の特例の適用
2 相続時精算課税制度選択届出書提出失念
3 土地や株式の評価の誤り
4 特定の相続人にのみ有利な分割の提案
5 円滑な資料の受領が行えない場合
6 調査があり得ることについて伝えておく

Ⅴ 事故の端緒
1 自分で気付く
2 税務署からの指摘で発覚
3 依頼者からの指摘で発覚
4 税務調査にて発覚

第3章 税賠訴訟事例の分析
Ⅰ DES事件
1 事件の経緯
2 訴訟の経過
3 時系列の詳細とミスが起こった原因
4 訴訟における当事者の主張と裁判所の判断
5 B法人の敗訴原因の分析
6 事件が起こらなかった可能性の存在

Ⅱ コンサル暴利事件
1 事件の概要
2 事件が起こった背景
3 被告税理士が行った「コンサルティング」の内容
4 専門委員の判断
5 税務コンサルティングに関する留意事項

Ⅲ タキゲン事件(税賠訴訟と税務訴訟)
1 税務訴訟における経緯
2 税賠訴訟における経緯
3 本事件が発生した原因
4 税務訴訟と税賠訴訟との関連
5 税賠訴訟予防策としての税務訴訟
6 税務訴訟後の税賠訴訟

Ⅳ 総則6項事件
1 事案の概要
2 最高裁判決の内容
3 本事件の事情と別件の検討
4 今後の相続対策コンサルティングと税理士のリスク
5 相続税申告と本事件
6 税務訴訟敗訴後の税賠訴訟のリスク

Ⅴ 責任制限条項事件
1 事案の概要
2 本事件の背景
3 責任制限条項の有効性
4 小規模宅地等の特例の適用
5 控訴審の経過および判断
6 税賠保険幹事会社の補助参加人としての参加
7 責任制限条項の無効判決を受けた今後の税理士の対応

第4章 ミスやトラブルを減らすための環境整備
Ⅰ 複数による担当・レビュー
1 届出書の提出漏れ
2 担当者の体調不良等に伴う業務の滞留
3 クライアントとのコミュニケーションの悪化

Ⅱ 品質管理および組織のレベルアップ
1 人員の配置
2 チェックシートの完備
3 レビュー担当者の配置
4 形式チェック
5 ミスのフィードバックおよび再発防止策の検討
6 職員の研修とモチベーション
7 情報漏洩防止策

第5章 トラブル予防のための行動
Ⅰ 記録に残りにくいやり取りを防止する訪問記録書
1 月次訪問と訪問記録
2 訪問記録の作成
3 訪問記録書のクライアントとの共有

Ⅱ 相談事項への対応
1 電話による場合
2 メールによる場合

Ⅲ 申告書の作成
1 把握している情報の整理
2 税務論点の検討およびその結果の記録
3 作業内容の記録
4 チェックシートを用いた確認や複数者によるレビューの実施
5 クライアントの処理に関する懸念点およびリスクの伝達
6 リスクの高い処理をクライアントが選択した際の確認書の取得

Ⅳ 税務調査への対応
1 税務調査に関する税理士とクライアントとの意識のギャップ
2 税務調査の事前準備
3 税務調査中の対応

Ⅴ 特殊な場合のリスク
1 新規クライアントの受入時
2 クライアントから正確な資料が得られない場合
3 クライアントとのコミュニケーション頻度が低い場合

Ⅵ 顧客の納得を得られるコンサルティング
1 顧客にスキームを提案する場合の留意事項
2 事業承継税制のコンサルティング

Ⅶ 効果的な証拠の残し方
1 双方の意思が表示された文書
2 当方作成後相手方へ送信した文書(当時のもの)
3 当方作成文書(当時のもの)

Ⅷ 要注意クライアントへの対応
1 要注意クライアントへの対応
2 脱税志向の納税者への説得
3 税理士側のリスクの認識
4 要注意クライアントに関する所内での情報共有

第6章 トラブル拡大回避のために
Ⅰ もしものとき
1 内容証明が届いたとき
2 メールや電話等でクレームがあったとき
3 避けるべき独力での対応
4 他人同士のトラブルに自身が巻き込まれた場合

Ⅱ 税賠事故と税賠保険
1 税賠保険の概要
2 税賠保険の加入割合
3 主契約と特約
4 支払限度額
5 税賠保険の請求

Ⅲ 事例への最適解
1 訴訟となった場合のポイント
2 本事例の発生による再発防止策の検討


●巻末資料
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