至誠堂書店

統治機構と対抗権力 代表・統制と憲法秩序をめぐる比較憲法的考察

統治機構と対抗権力 代表・統制と憲法秩序をめぐる比較憲法的考察

販売価格: 7,920円 税込

数量
著者
只野雅人/佐々木雅寿/木下和朗・編著
発行元
日本評論社
発刊日
2023-03-07
ISBN
978-4-535-52617-4
CD-ROM
無し
サイズ
A5判上製 (400ページ)
今日の西欧の代表民主政では、選挙や国民投票などの制度的回路、デモのような非制度的形態の双方で、既存の議会制の制度的枠組では十分制御しきれない様々な社会的な要求・異議申し立ての表出が見られる。本書は、こうした状況に憲法学の観点から向き合い、統治と並ぶ議会制の構成要素である代表・統制という契機に着目し、両者を包摂する対抗権力という概念を設定することで、議会制の中に散在する「対抗」の諸要素を析出する。次いで、そうした分析で得られた諸要素を比較と歴史という視座から突き合わせ、対抗権力という観点から議会制を再画定する理論を構築するとともに、制度化へのインプリケーションを得ることをめざす。
【目次】
第1部 統治機構と対抗権力
統治機構と対抗権力――日仏の比較に基づく総論的考察……只野雅人
対抗権力としての野党の役割――国会の制度から考える……大山礼子
対抗権力としての上院(参議院)をめぐる憲法的考察……新井 誠
条約過程の憲法問題――条約締結をめぐる対抗あるいは協働……齊藤正彰

第2部 制度と社会における対抗の現況
コロナ禍におけるフランスの対抗権力・日本の対抗権力……アルノー・グリヴォ(Arnaud Grivaud)/久保田祐介 訳
第5共和制下における対抗権力としての議会――2022年6月の国民議会選挙が示したもの……ジュリアン・ブドン(Julien Boudon)/只野雅人 訳

第3部 各国の議会制と対抗権力
ドイツ・フランスの議会制と対抗権力……セリーヌ・ヴァンゼル(Céline Vintzel)/田中美里 訳
フランス議会と対抗権力……ジル・トゥルモンド(Gilles Toulemonde)/徳永貴志 訳
国会機能論再考――「消極的議会制(le parlementarisme négatif)」論を手がかりとして……岡田信弘
フランスにおける多数派デモクラシーと第二院……徳永貴志
イギリスにおける公の調査――政府・議会・司法・社会の接合と対抗……木下和朗
英国の議会組織間における抑制と均衡の論理――貴族院と権限委譲議会の対抗的機能……田中嘉彦
イタリアの議会制における対抗権力――野党及び大統領の役割を中心に……芦田 淳

第4部 憲法秩序と憲法秩序――政治部門・司法・市民
アメリカ政治の分極化が連邦最高裁判所に与える影響と司法審査理論の動向に関する序論的考察……黒澤 修一郎
フランス議会と憲法院……マチウ・ディザン(Mathieu Disant)/只野雅人 訳
人権訴訟における解釈による救済――国籍法違憲判決再訪……館田晶子
参議院の投票価値の平等をめぐる最高裁と国会との継続的対話……佐々木雅寿
一部違憲と合憲拡張解釈――国籍法違憲判決を題材として……辻 信幸
権力に対抗する個人……西村 裕一
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