警察捜査の基本である任意捜査の基本的問題点につき、刑事手続の基本原則や基本判例から判例を踏まえた実務上の留意点まで解説するとともに、最近の法改正や裁判例にも触れた。

目次
第１章　任意捜査の意義と限界
01　任意捜査の意義と限界（総論）
02　任意捜査の限界（相手方の承諾及び有形力行使）
03　違法捜査の影響

第２章　職務質問
04　行政警察と司法警察
05　職質の要件と留意点
06　職質の有形力行使の限度
07　職質時の留め置き
08　職質時の第三者規制

第３章　所持品検査
09　職質時の所持品検査の限界

第４章　任意同行
10　任意同行の留意点
11　任意同行の有形力行使の限界
12　任意同行と実質逮捕の分水嶺
13　逮捕状を得た上での任意同行時の留意点

第５章　自動車検問
14　自動車検問の法的根拠
15　交通検問の法的根拠
16　自動車検問時の有形力行使

第６章　その他の警職法上の行為
17　泥酔者等の保護と捜査
18　覚醒剤による錯乱者の措置
19　犯罪発生前の警察活動

第７章　捜査の端緒
20　捜査の端緒と留意点
21　犯罪被害者に対する捜査
22　被害届受理時の注意点
23　告訴受理時の留意点と告訴取消対応
24　告訴のない親告罪の捜査
25　自首の意義と捜査上の留意点

第８章　写真撮影、ビデオ撮影
26　写真やビデオ撮影時の留意点
27　違法デモや共同危険行為を写真撮影する際の留意点
28　犯罪発生前の写真撮影
29　犯罪発生後の写真撮影
30　顔写真撮影時の留意点
31　隠 し 撮 り
32　私人が撮影した写真の捜査活用
33　報道機関が撮影した写真の捜査活用

第９章　通信傍受
34　通信傍受
35　一方当事者承諾による会話録音

第10章　おとり捜査、行動確認、GPS による追跡等
36　おとり捜査
37　すり検挙時の既遂確認と犯罪防止の関係
38　尾行・張込みの許容範囲
39　尾行・張込み中の対象者管理区域への立ち入り等
40　赤色警光灯を点けない最高速度超過の追尾
41　GPS端末による行動監視

第11章　任意提出、領置
42　証拠品の任意提出時の留意事項
43　証拠品の任意提出権者
44　拘束中の被疑者調べにより判明した証拠品の押収方法
45　無断で持ち出した証拠品の任意提出
46　事件関係者の投棄物の領置
47　捜索時に別罪の証拠品を発見
48　相手方の承諾を得た捜索
49　車両の承諾捜索
50　意識不明者の着衣等の押収
51　尿の任意提出時の留意点
52　被疑者を欺いた任意提出
53　意識不明者からの呼気採取
54　血液採取
55　体に挿入・嚥下された物の差押え

第12章　実況見分（被害・犯行再現）
56　実況見分と検証の違い
57　実況見分時の立会人の指示説明と注意点
58　犯行再現の際の留意点

第13章　身体検査
59　身体検査の限界

第14章　科学的捜査
60　科学的捜査の役割
61　科学的捜査の結果と係る問題
62　DNA型鑑定の問題点等
63　ポリグラフ検査の問題点等

第15章　被疑者の取調べ
64　任意取調べの留意点
65　長時間や深夜にわたる取調べ
66　宿泊を伴う取調べ
67　身体拘束中の被疑者の余罪取調べ
68　被告人の取調べの範囲と限界
69　病気の者の取調べ
70　精神疾患に罹患した者の取調べ

第16章　参考人の取調べ
71　参考人取調べに係る留意事項
72　参考人取調べから被疑者取調べへの移行

第17章　外国人に対する捜査
73　外国人への職質と取調べの留意点
74　外国人調書作成時の留意点
75　外国人からの外国語の証拠物
76　外国における捜査
77　外国在中者の供述と証拠の入手

第18章　その他
78　公務所への照会方法と留意点
79　管轄区域外での捜査
80　公開捜査の問題点
81　報道機関対応の留意事項
82　弁護人対応の留意事項
83　司法警察職員と検察官の関係

用語索引
判例索引