精神障害の労災認定 しくみと判断事例

販売価格: 3,300円 税込
パワハラ、セクハラ、対人トラブル、長時間労働、転勤・配置転換、仕事のミスなどで労働者が精神疾患を発症したとき、労災となるのはどんな場合か?
本書は、労働者に発病した精神障害について、認定基準(「心理的負荷による精神障害の認定基準」)に照らして、労災にあたるかどうかの判断が(一応)できるようになることを目標に書かれたものです。
検討事例を通じて、認定基準のしくみ、判断のポイント等を詳しく解説したうえで裁決例を見ていくことで、どのように労災認定されるのかがより理解できるような構成となっています。
また、精神障害の原因となりうるハラスメント等の予防のための企業対応の参考になりうる裁判令についても取り上げます。
目次
第1編 認定基準の解説
●第1章 検討事例
1.本章の説明
2.検討事例(検討資料)の概要等
●第2章 労災と認められるかの判断(認定基準へのあてはめ)
1.イントロ〜そもそも「労災」とは〜
2.精神障害の発病の有無と対象疾病該当性
3.発病時期と評価期間の特定
4.評価対象となる主張の確認
5.主張①(パワハラ)の検討(事実認定)
6.心理的負荷評価表および「総合評価」「全体評価」
7.主張①(パワハラ)の心理的負荷の総合評価の検討
8.主張②(セクハラ)の検討(事実認定)
9.主張②(セクハラ)の心理的負荷の総合評価
10.恒常的長時間労働による総合評価の修正
11.全体評価
12.追加の検討(精神障害の悪化)
●第3章 裁決書の説明等
1.実務での認定基準の使われ方
2.裁決例の判断についての説明
3.判断基準についての補足
第2編 判断事例(裁決例)
●第1章 ハラスメントおよび対人関係のトラブル
1.上司等から,身体的攻撃,精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた(項目22)
2.上司とのトラブルがあった(項目24)
3.同僚等から,暴行又はひどいいじめ・嫌がらせを受けた(項目23)
4.同僚とのトラブルがあった(項目25)
5.部下とのトラブルがあった(項目26)
6.上司が替わる等,職場の人間関係に変化があった(項目28)
7.セクシュアルハラスメントを受けた(項目29)
8.業務に関連し,違法な行為や不適切な行為等を強要された(項目6)
9.顧客や取引先から対応が困難な注文や要求等を受けた(項目9)
●第2章 長時間労働に関連する出来事
1.恒常的長時間労働がある場合に「強」とされた
2.仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった(項目11)
3.1か月に80時間以上の時間外労働を行った(項目12)
4.2週間以上にわたって休日のない連続勤務を行った(項目13)
5.勤務形態,作業速度,作業環境等の変化や不規則な勤務があった(項目15)
6.達成困難なノルマが課された・対応した・達成できなかった(項目7)
●第3章 業務や職務に関連する出来事
1.退職を強要された(項目16)
2.転勤・配置転換等があった(項目17)
3.新規事業や,大型プロジェクト(情報システム構築等を含む)などの担当になった(項目8)
4.業務により重度の病気やケガをした(項目1)
5.業務に関連し,悲惨な事故や災害の体験,目撃をした(項目2)
6.多額の損失を発生させるなど仕事上のミスをした(項目4)
7.会社で起きた事故,事件について,責任を問われた(項目5)
●第4章 その他の判断基準に関する裁決例
1.同種の労働者
2.複数の出来事が「関連して生じて」いる場合の全体評価
3.精神障害の悪化
第3編 企業対応
1.安全配慮義務
2.長時間労働への対応
3.労働環境の調整
4.労働者からの申出についての対応
5.その他