借家立退きの現実 借家立退きの基本と100の裁判例

借家立退きの現実 借家立退きの基本と100の裁判例

販売価格: 3,740円 税込

著者
宮崎裕二・著
発行元
住宅新報出版
発刊日
2025-03-05
ISBN
978-4-911407-15-8
CD-ROM
無し
サイズ
A5判 (512ページ)




"借地借家法や関連する判例などに精通した弁護士・宮崎裕二氏による、「借家立退き」に関する解説書

借家立退きについては、いまだに「地上げ」という言葉で非難したり、揶揄したりする人が多くいるのが実情だが、都市の再開発が進展した背景には、多くの借家立退きの事案があるのも事実です。借家は借主(賃借人)の権利が強いといわれる我が国において、主に家主(賃貸人)側の立場から多くの事例に携わってきた“立退き弁護士”宮崎氏が、正当事由の認否や適切な立退料などについて50の基本項目と100の裁判例をもとにひもときます。

借地借家法は、法律の名称に「借家」という名前が入っており、また「第三章 借家」という標題が付けられています。しかしながら、借家の契約については「建物賃貸借契約」、当事者については「建物の賃貸人」、「建物の賃借人」という用語が使用されています。

本書では、裁判例を除き、社会的に使われていて一般の人になじみのある「借家契約」、「家主」、「借家人」という言葉を用い解説します。


目次
【第一編 借家立退きの基本50】(全50)
はじめに ⅰ
contents

第一章 総論
(全20項目)
1 立退きには4 つの場合がある
2 借家人が自ら退去する場合にも問題がないわけではない
3 建物の滅失により借家契約は当然終了する
4 借家人に契約違反がある場合にも簡単に考えてはいけない
5 無断譲渡・転貸でも解除が認められないことがある
6 転借人に対する明渡請求はできるか
7 契約違反による借家の明渡請求訴訟をするには時間と手間と費用がかかる
8 明渡しを認める判決が出ても立ち退かなければ強制執行が必要である
9 裁判上の和解調書や調停調書でも明渡しの強制執行ができる
10 定期借家を活用しよう
11 定期借家の契約の仕方には気を付けよう
12 定期借家の契約の終了に気を付けよう
13 普通借家から定期借家への切替えは難しい
14 一時使用目的の借家はリスクがある
15 公務員宿舎や社宅に借地借家法の適用があるか
16 公営住宅などに借地借家法の適用があるか
17 スーパー、百貨店やショッピングモールの場所貸しに借地借家法の適用があるか
18 借家は相続の対象となるが相続人でない同居人は居住を続けられるか
19 老朽化した借家の放置はリスクが高い
20 自力救済に気を付けよう

第二章 正当事由による立退き
(全30項目)
21 借家人に非がない場合に立ち退かせる手続として更新拒絶と解約申入れがある
22 正当事由制度が設けられ、その後も維持されたのはどうしてだろう
23 旧借家法と借地借家法とで正当事由制度の解釈は変わりつつあるか
24 家主の「建物の使用を必要とする事情」とは何だろう
25 建物収去土地明渡請求を受けた借地人やマンションの建替決議を受けた区分所有者は借家人への正当事由を有するか
26 借家人の「建物の使用を必要とする事情」が否定的に判断されるのはどういう場合だろう
27 「建物の賃貸借に関する従前の経過」とは何だろう
28 「建物の利用状況」が借家人の使用の必要性と別に明記された理由は何だろう
29 「建物の現況」では耐震診断を重視する
30 「建物の存する地域の状況」は考慮されないのだろうか
31 「財産上の給付」とは何だろう
32 財産上の給付について「明渡しの条件」と「明渡しと引換え」とでは大きな違いがある
33 財産上の給付がゼロの場合もある
34 建物明渡請求訴訟の請求の趣旨において立退料の金額明示が必要か
35 裁判所は家主が提示した立退料の金額を上回る判決あるいは下回る判決を出すことができるか
36 立退料の中身は何だろう
37 不動産鑑定評価基準の「借家権の価格」とはどのように定められているか
38 不動産鑑定評価基準に基づき立退料について正式の鑑定評価をすることができるか
39 用対連基準とは何か
40 用対連基準での借家人への補償はどうなっているか
41 正当事由には主従があり立退料は付け足しというのは疑問である
42 家主が急ぐ場合には驚くような立退料の金額になることがある
43 家主は正当事由が認められないと思い込んでいるが本当にそうか
44 立退き交渉で気を付けなければならないことがある
45 個人の家主が自分で立退交渉をすると上手くいかないことが多い
46 弁護士以外の者が立退交渉をすると非弁行為などのリスクがある
47 適切な弁護士に立退交渉を任せると良い結果となることが多い
48 交渉できないときは調停が有効である
49 訴訟でも和解による解決が多い
50 弁護士に依頼するとどの程度の期間がかかるのか


【第二編 借家立退きの裁判例】(全100)

●第一章 総論
(全21ケース:事案の概要・判決の要旨・コメント)
1 建物が火災により消滅して借家契約も終了した
2 賃料債務保証委託契約書における無催告解除条項と明渡しのみなし条項が消費者契約法10条に該当する

20 居住用建物の借家人が死亡した場合に同居していた事実上の養子はそのまま居住できる
21 自力救済条項があっても家財などの廃棄処分は違法である

●第二章 正当事由による立退き
(全30ケース:事案の概要・判決の要旨・コメント)
22 法定更新後は期間の定めのない契約となり解約申入れができる
23 解約権留保特約は有効である

51 別の家屋の提供を条件として正当事由を認めた

●第三章 立退料なしで認められた正当事由
(全10ケース:事案の概要・判決の要旨・コメント)
52 明渡しを求められれば受諾する旨の念書を差し入れた

61 使用実態がないことから正当事由を認め、借地の明渡しを求められていることは借家の明渡しと無関係ではないと判断した

●第四章 立退料
(全39ケース:事案の概要・判決の要旨・コメント)
76 賃料、引越費用等一切の事情を考慮して200万円の支払を命じた
77 転居費用と賃料差額2 年分他雑費で80万円の立退料とした

100 借家権価格は認めたが開発利益は否定して2億9,650万円の立退料の支払を命じた
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