海の安全保障と法 (第2版) 日本はグレーゾーン事態にいかに対処すべきか

海の安全保障と法 (第2版) 日本はグレーゾーン事態にいかに対処すべきか

販売価格: 1,980円 税込

著者
鶴田 順・著
発行元
信山社
発刊日
2026-05-28
ISBN
978-4-7972-3636-1
CD-ROM
無し
サイズ
A5判 (156ページ)
◇海の安全保障の課題を法的観点から検討 ― 初版刊行後の安全保障関連の動きを追記した2026年6月刊行の第2版◇ 

日本をとりまく安全保障環境の厳しさが増している現在の安全保障の課題を、グレーゾーン事態対処を切り口に考察し、解決策を模索する―初版刊行後の安全保障関連の動きを追記した2026年6月刊行の第2版。中国海警への対応はもちろん、中国の南シナ海進出と基線設定・西太平洋進出と沖ノ鳥島、法執行活動と軍事活動のスキーム切替も論点化。更に法改正による「領域主権侵害排除行動」の創設も提言する。

目次
・はしがき

◇第1章 アジアの海洋秩序をいかにして維持・構築するか

1-1 海における「法の支配」
1-2 アジアの海における各国間の紛争・対立
1-3 「法の支配」における「法」 現在の法か、それとも新たな法か
1-4 南シナ海仲裁事件の仲裁判断 中国による新たな法の模索?
 1-4-1 中国が南シナ海に描いた「九段線」
 1-4-2 南シナ海仲裁事件の争点
 1-4-3 中国による南シナ海における「歴史的権利」主張とその正当化
 1-4-4 仲裁判断(本案判断)
 1-4-5 国連海洋法条約による規律の「包括性」
 1-4-6 国連海洋法条約による規律の射程についての日本政府の理解
1-5 領域権原の取得をめぐる紛争を解決する基準
1-6 ‌各国海上法執行機関の「衝突」の回避のための「危機管理メカニズム」の設定
1-7 海上保安庁による法執行活動
1-8 海上での法執行活動とは

〈主要参考文献〉
〈関連の拙稿〉

◇第2章 中‌国による沖合群島を取り囲む基線の設定―新たな法の模索?

2-1 中国の南シナ海についての主張
2-2 国連海洋法条約に基づく基線の設定方法① 通常基線と直線基線
2-3 国連海洋法条約に基づく基線の設定方法② 群島基線
2-4 ‌中国による「沖合の群島」への基線の設定 国連海洋法条約による規律の「限定性」の指摘
2-5 中国領海法の基線設定に関する規定
2-6 西沙諸島を取り囲む基線の設定
2-7 尖閣諸島を取り囲む基線の設定
2-8 海上自衛隊の護衛艦による台湾海峡の航行

〈主要参考文献〉
〈関連の拙稿〉

○コラム1 ‌外国政府の軍艦・公用船舶に対する海上衝突予防規則の適用

   海上衝突予防のための国際規則(COLREG規則)とは
   COLREG規則の適用対象と適用のある状況
   南シナ海仲裁事件の仲裁判断 中国政府公用船舶へのCOLREG規則の適用
   日本におけるCOLREG規則の実施
   外国軍艦・政府公用船舶への海上衝突予防法の適用
   政府公用船舶に対する海上衝突予防規則の適用の限界付け

   〈主要参考文献〉
   〈関連の拙稿〉

◇第3章 日本は中国海警にいかに対応すべきか

3-1 日本周辺海域における中国海警の活動
3-2 尖閣諸島とは
 3-2-1 領土編入にいたる経緯
 3-2-2 無主地先占による領域権原の取得
 3-2-3 中国による領有権の主張
3-3 中国海警とは
3-4 中国海警船の大型化と武装化
3-5 中国海警法とは
 3-5-1 中国の管轄海域 国連海洋法条約を離れた独自の海域主張
 3-5-2 中国海警による外国政府の軍艦・公用船舶に対する強制的措置
 3-5-3 外国政府の軍艦・公用船舶が享受する免除
 3-5-4 中国海警法21条の評価
 3-5-5 中国海警による有形力の行使
 3-5-6 中国海警による軍事活動
3-6 あいまいさに備える

〈主要参考文献〉
〈関連の拙稿〉

○コラム2 ‌海上自衛隊護衛艦「DD-117すずつき」の中国領海の航行

   〈主要参考文献〉
   〈関連の拙稿〉

◇第4章 西‌太平洋に進出する中国―「沖ノ鳥島」の地理的・戦略的重要性

4-1 沖ノ鳥島とは
4-2 日本の大陸棚延長申請
4-3 日本の申請に対する中国および韓国の口上書
4-4 西太平洋海域への中国の進出
4-5 国連海洋法条約によるEEZにおける「海洋の科学的調査」の規律
4-6 海洋の科学的調査を規制する国内法の整備の必要性
4-7 海底鉱物資源探査の疑いのある活動の規制 2011年の鉱業法改正
4-8 日本の排他的経済水域に中国が設置したブイの撤去

〈主要参考文献〉
〈関連の拙稿〉

○コラム3 日本における国連海洋法条約の実施

   2007年の海洋基本法の成立
   1996年の国連海洋法条約批准時の国内法の整備
   1996年の国連海洋法条約批准後の国内法の整備
   2008年の外国船舶航行法の制定
   2009年の海賊対処法の制定

   〈主要参考文献〉
   〈関連の拙稿〉

◇第5章 新‌たな国家安全保障戦略の策定―日本の防衛力の強化のためにいま何が必要か

5-1 国家安全保障戦略とは
5-2 尖閣諸島周辺海域における中国の活動
5-3 2012年の海上保安庁法の改正
5-4 グレーゾーン事態への対処
5-5 法執行活動スキームと軍事活動スキーム
5-6 武力紛争法の適用
5-7 海上での法執行活動の実効性を担保する「実力の行使」
5-8 海上法執行活動と軍事活動の関係性
 5-8-1 ‌2007年9月17日ガイアナ・スリナム海洋境界画定事件・仲裁判断
 5-8-2 ‌国際海洋法裁判所(ITLOS)2019年5月25日ウクライナ艦船抑留事件(ウクライナ対ロシア)暫定措置命令
 5-8-3 海上での法執行活動に該当するか否かの評価基準
5-9 「防衛力の抜本的強化」のための法整備の必要性
5-10 外部からの脅威に対抗する「意思」と「能力」をつなぐ

〈主要参考文献〉
〈関連の拙稿〉

◇第6章 海上警備行動の発令による事態対処

6-1 法執行活動としての性格
6-2 海上警備行動の発令手続き
6-3 海上警備行動時の自衛隊の権限
6-4 海上警備行動が発令された事案等
 6-4-1 1999年3月発生の能登半島沖不審船事案
 6-4-2 海上保安庁法20条2項に基づく停船射撃
 6-4-3 2004年11月発生の中国潜水艦による日本領海潜没航行事案
 6-4-4 国際海峡における通過通航権

〈主要参考文献〉
〈関連の拙稿〉

○コラム4 ‌武力攻撃事態における防衛大臣による海上保安庁の統制

   〈主要参考文献〉
   〈関連の拙稿〉

○コラム5 ‌存立危機事態の認定による「限定された集団的自衛権」の行使

   高市総理大臣の存立危機事態答弁
   存立危機事態とは
   ホルムズ海峡の機雷敷設による封鎖
   国際法上の集団的自衛権とは
   集団的自衛権を行使するための諸要件
   存立危機事態の認定をふまえてなされる武力行使の法的正当化

   〈主要参考文献〉
   〈関連の拙稿〉

   —  —  —

参考条文1 「海上保安庁法」(昭和23年(1948年)法律28号)(抄)
参考条文2 「自衛隊法」(昭和29年(1954年)法律165号)(抄)
参考条文3 ‌「警察官職務執行法」(昭和23年(1948年)法律136号)(抄)
参考条文4 ‌「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」(平成15年(2003年)法律79号)(抄)

参考資料1 ‌平成8年(1996年)12月24日の安全保障会議決定・閣議決定「我が国の領海及び内水で潜没航行する外国潜水艦への対処について」
参考資料2 ‌平成13年(2001年)11月2日の閣議決定「我が国周辺を航行する不審船への対処について」
参考資料3 ‌平成26年(2014年)7月1日の国家安全保障会議決定・閣議決定「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(抄)
参考資料4 ‌平成27年(2015年)5月14日の閣議決定「離島等に対する武装集団による不法上陸等事案に対する政府の対処について」
参考資料5 ‌平成27年(2015年)5月14日の閣議決定「我が国の領海及び内水で国際法上の無害通航に該当しない航行を行う外国軍艦への対処について」
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