競争法における「脆弱な消費者」の法理 (佐賀大学経済学会叢書) 顧客誘引に対する規制と規律の複線化の考察

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[目 次]
はしがき i
初出一覧 xviii
序 章 考察の背景と目的 1
第1節 本書の考察の背景とモチーフ 1
第2節 本書における考察の視座 7
(1) 競争法における「消費者概念」としての「脆弱な消費者」概念の意義に関する考察 7
(2) 競争法の消費者保護機能に関する考察 8
(3) 「脆弱な消費者」の権利と利益の実現に向けた法制度の考察 9
(4) 「消費者の年齢その他の特性への配慮」を実現するための行政規制と民事規律の「複線化」の基盤整備に関する考察 9
(5) 個々の消費者の特性を前提とした権利の実現に向けた知的基盤整備に関する考察 10
第1部 競争法と「脆弱な消費者」―問題領域の俯瞰
第1章 競争法における消費者保護の射程と「脆弱な消費者」をめぐる問題 13
第1節 本章における考察の対象 13
第2節 日本における消費者保護の法制度の生成と展開 15
(1) 消費者問題の性格・領域 15
(2) 消費者保護法制の成立と展開 17
(3) 独占禁止法の消費者保護機能をめぐる公正取引委員会の考え方 22
第3節 競争法における消費者の立ち位置 ―利益と権利の「はざま」の消費者 24
(1) 利益を享受する主体/利益を確保される客体としての消費者 25
(2) 権利の主体としての消費者 26
(3) 小括―日本の競争法における「脆弱な消費者」概念に関する議論の下地はあるか 27
第4節 「脆弱な消費者」をめぐる競争法制度の構築に向けた社会的要請 29
(1) 若年者の消費者被害の傾向と民法における成年年齢の引下げ 29
(2) 顧客誘引の秩序化に対する消費者教育の観点からの要請 34
第5節 「脆弱な消費者」問題に対する競争法の対応をめぐる論点整理 38
(1) 「消費者の年齢その他の特性への配慮」の理念と独占禁止法・景品表示法 39
(2) 競争法における顧客誘引行為の性格の再検討と法秩序形成 42
第6節 本章のおわりに 45
第2章 競争法の体系 ―ドイツ・EUの法制度の概観と日本法との比較 47
第1節 「競争法」の定義 48
第2節 競争法の目的―競争の「公正」と「自由」の確保 51
(1) 「公正競争」保護の沿革 51
(2) 自由競争の確保―市場競争秩序の形成 53
(3) 二つの競争の確保と消費者利益 55
第3節 競争法の射程と消費者保護 57
(1) 競争法と消費者問題 57
(2) EUにおける公正競争法と消費者保護 57
(3) ドイツの競争法の沿革と公正競争法における消費者保護 62
第4節 日本における競争を保護法益とする法制度63
(1) 不正競争防止法と独占禁止法の関係について 63
(2) 日本の独占禁止法と消費者法 ―両者の接点と問題解決アプローチの相違 66
第5節 「競争法」の捉え方 ―ドイツ・EUと日本の異同について 68
第3章 競争法における消費者概念 ―「脆弱な消費者」と「平均的な消費者」 71
第1節 本章の視点 ―多様な消費者と法律における消費者概念 71
第2節 ドイツ競争法(公正競争法)とEU指令の消費者の「定義」 72
(1) ドイツ不正競争防止法における消費者の「定義」 72
(2) ドイツ競争制限防止法の場合 74
(3) EU指令(2005年不公正取引慣行指令)における消費者の「定義」 74
第3節 ドイツとEUにおける「消費者概念」 75
(1) ドイツにおける初期の消費者像―消費者概念 75
(2) EUにおける消費者像―消費者概念 76
第4節 ドイツ不正競争防止法における消費者概念の導入と「子ども」概念 84
(1) EU指令に基づく不正競争防止法改正の動向 84
(2) ドイツ不正競争防止法における公正概念と消費者概念 88
(3) 「子ども」の概念 97
第5節 消費者像 ―消費者概念を持たない日本の競争法への示唆 98
(1) 競争法における消費者像=消費者概念の「不在」が持つ意味 98
(2) 消費者基本法を手がかりとする消費者像―消費者概念についての問題提起 103
第4章 「消費者の権利」と消費者概念 105
第1節 問題の所在と検討の視角 105
第2節 ケネディ特別教書と「消費者の権利」の国際的潮流 108
第3節 日本における「消費者の権利」をめぐる状況 109
(1) 消費者基本法以前における「消費者の権利」をめぐる議論 109
(2) 消費者基本法における8つの権利の規定 112
第4節 「消費者の権利」の性格 113
(1) 消費者概念と「消費者の権利」 113
(2) 請求権としての「消費者の権利」 115
(3) 消費者基本法における8つの権利の性格 116
(4) 消費者政策の評価指標としての「消費者の権利」 117
第5節 「消費者の権利」と競争法の関係と課題119
(1) 一般消費者の利益と「消費者の権利」の関係性 119
(2) 「消費者の権利」から見た独占禁止法と競争政策の課題 124
第6節 本章の総括 ―日本における「消費者の権利」の意義と機能の再確認の必要性 133
(1) 独占禁止法における行政規制と民事規律の複線化の視点 133
(2) 消費者基本法の理念に基づく独占禁止法のあり方の視点 135
第2部 ドイツとEUにおける子どもを対象とする顧客誘引に対する規制と規律
第5章 ドイツ・EUの競争法における顧客誘引規制と消費者保護 139
第1節 本章における問題認識と考察対象 139
第2節 ドイツにおける景品令の制定 140
(1) 景品・懸賞付販売と公正競争概念 140
(2) ドイツ不正競争防止法の制定 142
(3) ドイツ景品令の制定 144
(4) ドイツ景品令の内容 147
(5) ドイツ景品令の目的・保護法益と性格 148
第3節 EUにおける競争と消費者保護をめぐる動向とドイツ景品規制の転換 151
(1) 利益広告に対する規律の展開と景品規制 151
(2) EU不公正取引慣行指令のインパクト 153
(3) EU不公正取引慣行指令における景品・懸賞付販売に対する考え方 154
(4) EU不公正取引慣行指令における公正概念の一般化と景品・懸賞付に対する規律 155
第4節 競争法におけるポイントサービスの捉え方 157
(1) ドイツ不正競争防止法におけるポイントサービスに対する規律 157
(2) ドイツ競争制限防止法におけるポイント提供型顧客誘引 161
第5節 ドイツおよびEU競争法における景品・懸賞付販売に対する規律からの示唆 163
(1) 公正概念の下での景品・懸賞付販売に対する規律 163
(2) 日本法への示唆 164
第6章 子どもを対象とする顧客誘引に関する法秩序 167
第1節 問題の所在と検討の視角 167
第2節 広告と消費者問題―日本における問題の意味の確認 168
(1) 消費者問題としての子ども向け広告 168
(2) 子ども向け広告と消費者教育の立ち位置 169
第3節 EUとドイツにおける子どもを対象とする広告と法秩序 171
(1) 2005年以前におけるEU及び加盟国の法制度 171
(2) 2005年EU不公正取引慣行指令の概要と特徴 173
(3) 2005年不公正取引慣行指令(付表28号)の「子どもを対象とする広告」に対する規律の特徴 175
(4) 子ども向け広告に関する裁判例 180
第4節 子ども向け広告をめぐる日本の状況と消費者教育の実質化に向けた課題 188
第3部 日本の競争法における顧客誘引規制と「脆弱な消費者」
第7章 日本における景品・懸賞付販売の実態と競争法による規制 193
第1節 問題の所在 193
第2節 日本の景品・懸賞付販売ルールの特徴と課題 195
(1) 景品表示法における景品・懸賞付販売に対する規制制度 196
(2) 景品表示法の規制基準と日本における景品付販売の特徴 197
(3) 景品・懸賞付販売に対する規制の問題点 202
第3節 進化した景品―ボーナスポイント提供型顧客誘引に対する競争法の視点について 2
はしがき i
初出一覧 xviii
序 章 考察の背景と目的 1
第1節 本書の考察の背景とモチーフ 1
第2節 本書における考察の視座 7
(1) 競争法における「消費者概念」としての「脆弱な消費者」概念の意義に関する考察 7
(2) 競争法の消費者保護機能に関する考察 8
(3) 「脆弱な消費者」の権利と利益の実現に向けた法制度の考察 9
(4) 「消費者の年齢その他の特性への配慮」を実現するための行政規制と民事規律の「複線化」の基盤整備に関する考察 9
(5) 個々の消費者の特性を前提とした権利の実現に向けた知的基盤整備に関する考察 10
第1部 競争法と「脆弱な消費者」―問題領域の俯瞰
第1章 競争法における消費者保護の射程と「脆弱な消費者」をめぐる問題 13
第1節 本章における考察の対象 13
第2節 日本における消費者保護の法制度の生成と展開 15
(1) 消費者問題の性格・領域 15
(2) 消費者保護法制の成立と展開 17
(3) 独占禁止法の消費者保護機能をめぐる公正取引委員会の考え方 22
第3節 競争法における消費者の立ち位置 ―利益と権利の「はざま」の消費者 24
(1) 利益を享受する主体/利益を確保される客体としての消費者 25
(2) 権利の主体としての消費者 26
(3) 小括―日本の競争法における「脆弱な消費者」概念に関する議論の下地はあるか 27
第4節 「脆弱な消費者」をめぐる競争法制度の構築に向けた社会的要請 29
(1) 若年者の消費者被害の傾向と民法における成年年齢の引下げ 29
(2) 顧客誘引の秩序化に対する消費者教育の観点からの要請 34
第5節 「脆弱な消費者」問題に対する競争法の対応をめぐる論点整理 38
(1) 「消費者の年齢その他の特性への配慮」の理念と独占禁止法・景品表示法 39
(2) 競争法における顧客誘引行為の性格の再検討と法秩序形成 42
第6節 本章のおわりに 45
第2章 競争法の体系 ―ドイツ・EUの法制度の概観と日本法との比較 47
第1節 「競争法」の定義 48
第2節 競争法の目的―競争の「公正」と「自由」の確保 51
(1) 「公正競争」保護の沿革 51
(2) 自由競争の確保―市場競争秩序の形成 53
(3) 二つの競争の確保と消費者利益 55
第3節 競争法の射程と消費者保護 57
(1) 競争法と消費者問題 57
(2) EUにおける公正競争法と消費者保護 57
(3) ドイツの競争法の沿革と公正競争法における消費者保護 62
第4節 日本における競争を保護法益とする法制度63
(1) 不正競争防止法と独占禁止法の関係について 63
(2) 日本の独占禁止法と消費者法 ―両者の接点と問題解決アプローチの相違 66
第5節 「競争法」の捉え方 ―ドイツ・EUと日本の異同について 68
第3章 競争法における消費者概念 ―「脆弱な消費者」と「平均的な消費者」 71
第1節 本章の視点 ―多様な消費者と法律における消費者概念 71
第2節 ドイツ競争法(公正競争法)とEU指令の消費者の「定義」 72
(1) ドイツ不正競争防止法における消費者の「定義」 72
(2) ドイツ競争制限防止法の場合 74
(3) EU指令(2005年不公正取引慣行指令)における消費者の「定義」 74
第3節 ドイツとEUにおける「消費者概念」 75
(1) ドイツにおける初期の消費者像―消費者概念 75
(2) EUにおける消費者像―消費者概念 76
第4節 ドイツ不正競争防止法における消費者概念の導入と「子ども」概念 84
(1) EU指令に基づく不正競争防止法改正の動向 84
(2) ドイツ不正競争防止法における公正概念と消費者概念 88
(3) 「子ども」の概念 97
第5節 消費者像 ―消費者概念を持たない日本の競争法への示唆 98
(1) 競争法における消費者像=消費者概念の「不在」が持つ意味 98
(2) 消費者基本法を手がかりとする消費者像―消費者概念についての問題提起 103
第4章 「消費者の権利」と消費者概念 105
第1節 問題の所在と検討の視角 105
第2節 ケネディ特別教書と「消費者の権利」の国際的潮流 108
第3節 日本における「消費者の権利」をめぐる状況 109
(1) 消費者基本法以前における「消費者の権利」をめぐる議論 109
(2) 消費者基本法における8つの権利の規定 112
第4節 「消費者の権利」の性格 113
(1) 消費者概念と「消費者の権利」 113
(2) 請求権としての「消費者の権利」 115
(3) 消費者基本法における8つの権利の性格 116
(4) 消費者政策の評価指標としての「消費者の権利」 117
第5節 「消費者の権利」と競争法の関係と課題119
(1) 一般消費者の利益と「消費者の権利」の関係性 119
(2) 「消費者の権利」から見た独占禁止法と競争政策の課題 124
第6節 本章の総括 ―日本における「消費者の権利」の意義と機能の再確認の必要性 133
(1) 独占禁止法における行政規制と民事規律の複線化の視点 133
(2) 消費者基本法の理念に基づく独占禁止法のあり方の視点 135
第2部 ドイツとEUにおける子どもを対象とする顧客誘引に対する規制と規律
第5章 ドイツ・EUの競争法における顧客誘引規制と消費者保護 139
第1節 本章における問題認識と考察対象 139
第2節 ドイツにおける景品令の制定 140
(1) 景品・懸賞付販売と公正競争概念 140
(2) ドイツ不正競争防止法の制定 142
(3) ドイツ景品令の制定 144
(4) ドイツ景品令の内容 147
(5) ドイツ景品令の目的・保護法益と性格 148
第3節 EUにおける競争と消費者保護をめぐる動向とドイツ景品規制の転換 151
(1) 利益広告に対する規律の展開と景品規制 151
(2) EU不公正取引慣行指令のインパクト 153
(3) EU不公正取引慣行指令における景品・懸賞付販売に対する考え方 154
(4) EU不公正取引慣行指令における公正概念の一般化と景品・懸賞付に対する規律 155
第4節 競争法におけるポイントサービスの捉え方 157
(1) ドイツ不正競争防止法におけるポイントサービスに対する規律 157
(2) ドイツ競争制限防止法におけるポイント提供型顧客誘引 161
第5節 ドイツおよびEU競争法における景品・懸賞付販売に対する規律からの示唆 163
(1) 公正概念の下での景品・懸賞付販売に対する規律 163
(2) 日本法への示唆 164
第6章 子どもを対象とする顧客誘引に関する法秩序 167
第1節 問題の所在と検討の視角 167
第2節 広告と消費者問題―日本における問題の意味の確認 168
(1) 消費者問題としての子ども向け広告 168
(2) 子ども向け広告と消費者教育の立ち位置 169
第3節 EUとドイツにおける子どもを対象とする広告と法秩序 171
(1) 2005年以前におけるEU及び加盟国の法制度 171
(2) 2005年EU不公正取引慣行指令の概要と特徴 173
(3) 2005年不公正取引慣行指令(付表28号)の「子どもを対象とする広告」に対する規律の特徴 175
(4) 子ども向け広告に関する裁判例 180
第4節 子ども向け広告をめぐる日本の状況と消費者教育の実質化に向けた課題 188
第3部 日本の競争法における顧客誘引規制と「脆弱な消費者」
第7章 日本における景品・懸賞付販売の実態と競争法による規制 193
第1節 問題の所在 193
第2節 日本の景品・懸賞付販売ルールの特徴と課題 195
(1) 景品表示法における景品・懸賞付販売に対する規制制度 196
(2) 景品表示法の規制基準と日本における景品付販売の特徴 197
(3) 景品・懸賞付販売に対する規制の問題点 202
第3節 進化した景品―ボーナスポイント提供型顧客誘引に対する競争法の視点について 2