司法通訳人という仕事 知られざる現場

司法通訳人という仕事 知られざる現場

販売価格: 1,980円 税込

著者
小林裕子・著
発行元
慶應義塾大学出版会
発刊日
2019-11-08
ISBN
978-4-7664-2637-3
CD-ROM
無し
サイズ
四六判 (195ページ)
――良心に従って
   誠実に通訳することを誓います

法廷における通訳人の仕事は正しく歌舞伎における「黒子」である。
黒子であるからこそ司法通訳にはプロフェッションとしての仕事が求められる。
『真相を追求する場、それが捜査裁判。しかし、法律への理解が乏しい通訳人の通訳如何で真相と異なる事実認定がなされれば、裁判制度の信用を損ねる。法律を知る通訳人が必要な所以である。なぜ今までこの視点が見過ごされてきたのだろうか。
要通訳事件関係者そして司法通訳人を志す人必読の一冊。』
――若狭 勝 氏(元東京地検特捜部副部長、弁護士)
はじめに

Ⅰ 司法通訳とはどのような仕事か
 1 司法通訳の制度  2 「第一言語」とは何か?
 3 通訳の正確性と公平性

Ⅱ プロフェッションとしての司法通訳
 1 言葉の「置換」か「解説」か  2 現場における通訳人の任務
 3 留置施設における国選弁護人の通訳  4 検察官の通訳
 5 法廷における通訳  6 公判の通訳と捜査の通訳との違い
 7 捜査実務側が求める通訳人の在り方  8 法廷側が求める通訳人の在り方

Ⅲ 来日外国人犯罪、刑事手続きの現状
 1 起訴前手続きの特色と「接見同行通訳人」の重要性
 2 刑務所イメージと勾留  3 「反省」とリハビリテーション
 4 我が国における刑罰の持つ象徴的な役割

Ⅳ 司法通訳人に法律知識は必要ないのか?
 1 法律知識教育の必要性  2 分かり合えない感覚
 3 法律用語の理解と齟齬  4 「相互の信頼感」がもたらす影響
 5 法の背景にある文化の複雑さ  6 司法通訳人に求められること

Ⅴ イメージの違い、厳密な通訳に必要なこと
 1 我が国の刑事司法は「異色」か?  2 ステレオタイプからの脱却
 3 「正義」の違い?  4 「警察官」・「検察官」イメージの隔絶
 5 「真実」は一つ?

Ⅵ グローバル化する社会と司法、司法通訳の能力向上のために必要なもの
 1 『法廷通訳についての立法提案に関する意見書』  2 法廷通訳人に求められるべき
 「質」──日米の違い  3 米国法廷通訳人に求められる通訳能力  4 警察・検察・裁
 判所をつなぐ試み  5 グローバル化が刑事司法・要通訳事件に与える影響  6 本書
 の結びにかえて

 注
 主要参考文献

 あとがき
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