「小さな主語」で語る香港デモ

「小さな主語」で語る香港デモ

販売価格: 4,070円 税込

著者
石井大智・編著
発行元
現代人文社
発刊日
2020-12-28
ISBN
978-4-87798-766-4
CD-ROM
無し
サイズ
A5判 (428ページ)

様々なバックグラウンドを持つ香港に生きる人々は、
デモの中でどのように生きてきたのか。
「民主派 vs 親中派」「和理非派 vs 勇武派」では語り尽くせない、
14人それぞれの物語。

香港で起きていることは米中関係や中国の台頭と言った「大きな視点」に集約されがちで、実際に現場でどのような事件が起きてきたかはあまり知られていない。しかし 抗議活動が日常化していった香港では、「大きな視点」では語りきれず、「反政府」・「政府支持」というラベリングでは一括りにできない様々な人々の思いが交錯してきた。香港で何が起き、そして香港という現場にいる人々は生活の中で何を見てきたのかを知り、そのことで暮らしの横に政治があり続けてきた香港という都市、そしてその香港で「自由が失われる」と叫ぶ人々の言う「自由」とは一体何であるのかを共に見つめ直す。
目次
●はじめに 石井大智(編著者)
・この本を作るようになったきっかけ(多様な人々か?いる香港を「大きな主語」て?語る限界/「大きな主語」に回収される香港からの発信/香港か?経験した「大きな主語」による社会分裂/なせ?日本て?出すのか)
・と?のように「小さな主語」を語るのか(本書の手法/本書の手法の限界/執筆者選ひ?の方針/この本て?書くへ?きものを書ける執筆者を/結局と?のような執筆者か?書くことになったのか/執筆者の言語的背景)
・書籍の構造(第1部:長い目て?見た香港テ?モ/第2部:「香港人」意識とテ?モへの感情/第3部:教育現場と国際都市の中の香港テ?モ/第4部:あらゆる場所の政治化)
・謝辞

●香港政治と香港デモの基礎知識 石井大智
・多様な政治的志向の存在(建制派の中の多様さ/民主派の多様さ)
・香港社会の極性化(政治の日常化と政治への関心増大/黄色と藍色の色分け/民主派の「不割席」と情報の分裂)
・新型コロナ後の民主派(新型コロナ拡大の中て?/民主派の多様性と国際社会への反応/新型コロナ後の黄色経済圏)
・日本人と香港テ?モ(香港テ?モの中のメテ?ィアと日本人/中国本土とのヒ?シ?ネス上関わる日本人にとっての香港テ?モ/日本人と香港政治・アイテ?ンティティとの関わり)


【第1部 長い目で見た香港デモ】

●第1章 私が見た香港のデモ--そして、変わってしまった友へ AA(香港在住20年の日本人)
 テ?モて?香港について知り、友人をつくった20年前/毎年の天安門事件追悼集会/2019 年6月6日 :3000人の弁護士テ?モ/6月9日 :久しふ?りの大型テ?モ、103万人か?集結/6月12日 :テ?モを「暴動」と言い放つ行政長官/6月16日 :凱旋行進のようた?った「200万人+1」テ? モ/改定案撤回の機を逸した香港政府/7月1日 :恒例の返還記念日テ?モから立法会突入へ/あらゆる地区て?行われるようになったテ?モ/7月21日 :元朗て?の無差別攻撃/広か?る抗議活動、酷くなる警察の暴力/8月18日:「自治」の成功例/「過剰な警備」から「弾圧」の領域に踏み込み始めた警察/警察をはし?めとする当局か?信し?られ ない/事実上の戒厳令/雑談もて?きなくなった警察官/警察による性暴力に立ち向かう/大学への攻撃/民主派か?圧勝した区議会議員選挙/コロナ禍の拡大、警察権力の肥大/集会許可なき天安門事件追悼集会/

●第2章 96年生まれの日本アニメオタクが見た香港デモ BB(日本アニメ愛好者の香港人)
 僕のルーツ/新聞を通し?て社会に関心を持ち始める/アニメ情報収集のためSNSを使い始める/「民主派支持」の意識を固める/香港テレヒ?騒動/雨傘運動への参加/利 用 するメテ?ィアの 変 化/有権者になって初めての選挙、た?か?....../政治的な季節・夏/香港て?起きたことは幸福か不幸か....../膠着か?続く逃亡犯条例改正案審議/初めてのテ?モ/蔓延しつつある状況への不安/「 覆面禁止法 」の急な導入と交通の寸断/区議会議員選挙/職場の状況/家族の態度の変化/

●第3章 破壊行為と社会の分断の中で CC(香港に長年住む日本人女性)
 私について/目にした破壊行為/平和的な行動からの変容/生し?た疑問/「荒れていない香港」も知ってほしい/佐敦て?の騒乱/大好きな香港て?生きていく/Facebookて?繋か?った友人たち/家族の反応/同僚とは議論せす?/在港邦人の間て?の意見の違い/Facebookから離れる/夫との対話/日本の友人や家族とのやりとり/「議論しない」 /ある日系企業総経理の炎上事件/香港を好きになってほしい/自由を愛する香港


【第2部 「香港人」意識とデモへの感情】

●第4章 在日香港人が見た香港デモ 伯川星矢(在日香港人のライター)
 自己紹介/在日香港人の活動のはし?まり??2014年/在日香港人の活動のたかまり??2019年/日本メテ?ィアからみた香港/私たち自身か?香港の未来を決める/

●第5章 民主運動を香港人はどう捉え、どう表現し、どう拡散したのか 増田佳苗(香港の広告代理店で働く日本人)
 はし?めに/著者について/街て?見られる文宣??レノンウォールの役割/何か?画期的た?ったのか??アートを凌駕したテ?モ/テレク?ラムて?の文宣の動き??ネット/謝?皮(Jasmine Tse)/抗爭少女日記/Joanne Liu/Don Mak/肉肉熊/門小雷( Little Thunder)/一個人/「と?うふ?つの森」とテ?モとコロナ/国家安全維持法によって文宣はと?う変わるか??愛国中国のステッカーを貼るアーティスト/黎智英逮捕後の蘋果日報の広告/

●第6章 広東語は話せない、でも香港人として FF(中国本土出身の両親を持つ非広東語話者の高校生)
 来歴/私にとっての北京語/私にとっての英語と学校教育/私の政治的見解と自己認識/重苦しさ/連帯感/白か黒かて?はなく/中国本土出身の学生の中て?は/私の高校と他のインターナショナルスクールにおいての抗議活動の比較/文化晩会て?の公演/香港国家安全維持法/香港を離れることと未来について/


【第3部 教育現場と国際都市の中の香港デモ】

●第7章 80ヶ国から生徒が集まるインターナショナルスクールが受けた影響 GG(インターナショナルスクールへの日本人留学生)
 はし?めに/筆者のハ?ックク?ラウント?/LPCの特徴/LPCの政治的価値観/各ク?ルーフ?のスタンス/2019年8月:学期開始/9月:Lennon Wall か?設置される/10 月:Lennon Wall上て?の分裂/11月上旬:全校討論会て?の服装事件/11月上旬:マシュマロ会か?始まる/11月14日:授業ホ?イコット/11月14日当日の1限目の様子/11月18日~19日:理工大学に閉し?込められた子/2020年2月:コロナて?議論は一旦落ち着く/5月:卒業/

●第8章 「隔離された国際社会」 HH(香港在住日本人高校生)
 私のアイテ?ンティティ/香港て?のインターンシッフ?て?突きつけられた問い/インターナショナルスクールの対応と生徒の反応/インターナショナルスクールの教師の反応/

●第9章 私が大学で出会った人々とデモ II(日本からの交換留学生)
 自己紹介/香港中文大学へ/天安門事件と大陸人学生/学長と学生の集会て?出会った北京出身の大学院生/中国政治の授業にいた大陸人学生/広東語ネイティフ?の深?出身の学生/香港×大陸の友人/北京出身の交換留学生の友人/深?の友人/その他大多数の大陸人学生/反香港テ?モ発言を繰り返す大陸人学生/中文大学中国国旗掲揚事件/中文大学刃物振り回し事件/大陸の友人からの心配の連絡/ヨーロッハ?の学生/その他の交換留学生とテ?モ/香港て?配慮したこと/テ?モ発生時の香港中文大学/香港外の日本人学生の目線/一年を通して考えたこと/

●第10章 燃えた大学で見た香港デモ JJ(日本からの交換留学生)
 2019年8月25日/8月29日/8月31日/9月1日/9月2日/9月3日/9月5日/9月7日/9月8日/9月18日/9月23日/9月26日/9月27日/10月1日/10月2日/10月3日/10月5日/10月11日/10月16日/10月19日/10月20日/10月21日/10月24日/11月10日/11月11日/11月12日/11月13日/11月14日/11月15日/11月16日/11月17日/


【第4部 あらゆる場所の政治化】

●第11章 小説『時代』--「新移民」が見た香港デモ えこ(新移民の大学生)

●第12章 聴覚障害者と香港デモ LL(香港中文大学で手話研究をする日本人大学院生)
 語学好きか?端緒/手話言語学への傾倒/そして香港へ/CSLDSの特殊な世界/当事者団体--香港と日本の聾者事情の違い/手話通訳制度--香港と日本の聾者事情の違い/政府の対応--香港と日本の聾者事情の違い/字幕の不思議/香港手話ニュースのスタート/雨傘運動(2014年9月26日~12月15日)/映画「十年」/反送中運動100万人テ?モ(6月9日)/SNSの活用/手話教室「Brainfood」/タ?ンスクラス/最後に/

●第13章 あるクリスチャンにとっての香港デモ MM(クリスチャンの香港人)
 私のルーツ/クリスチャンとしての家族史/私と教会の人々にとっての香港の今/国安法以降の信仰の自由/

●第14章 アカペラサークルと香港デモ Sheleoni(香港大学2020年卒業、」心理学専攻、アカペラサークル所属)
 私について/少し変わった生い立ち/アイテ?ンティティとは・外からの視点/アイテ?ンティティ・父と私/アカヘ?ラと抗議活動--香港大学と東京大学/モサ?イクとLaVoce/テ?モか?アカヘ?ラ公演にもたらした影響/その他のテ?モのアカヘ?ラ活動
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