平成金融危機 初代金融再生委員長の回顧

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読売・吉野作造賞を受賞するなど高く評価されている『平成の経済』(小峰隆夫著)。ただ惜しむらくは金融危機について詳細に記述する紙幅の余裕はありませんでした。本書は、そのニーズに応えるもの。金融危機収拾の舵取りをした自民党きっての金融通の政治家が、金融危機の顛末を初めて語ります。著者の米国のパートナーであったガイトナー財務長官の『ガイトナ-回顧録』の日本版となるものです。
「禍根を残した日銀窓口指導廃止」「シナリオ通りだった大蔵省負担決定」「金融危機処理に何の口も出さなかった自民党」「存在感はそれほどなかった政策新人類」「金融監督庁誕生の攻防戦」など、いまだから明かせる秘話が満載の金融危機の本当の話です。
『平成金融史』(中公新書)『バブル経済事件の深層』(岩波新書)など経済ジャーナリストによる新書の近刊においても筆者はインタビューに応じておらず、破綻した長銀を譲渡するに当たってのプロセスなど本書はオリジナルの内容に富んでいます。
【目次】
I 難航する大蔵行政
1 銀行法の全文改正 2 グリーンカードの挫折 3 国際金融センター構想の停滞
II バブルの生成と崩壊
1 バブルの相貌 2 政策的要因 3 心理的要因――「経済大国」に浮かれる
4 行政の対応とバブル崩壊
III 金融機関のリスクへの転化
1 国会の関心喚び始める 2 金融破綻の先駆け 3 金融行政改革――財金分離と日銀法改正
4 金融ビックバン 5 橋本行革の二つの問題点
IV 大手金融機関の破綻と国会の対応
1 破綻の自己処理と破綻防止への公的関与の始まり 2 「金融国会」
V 金融再生委員長として
1 金融再生委員会の発足 2 破綻長銀の処理 3 長銀譲渡の交渉経緯 4 その他の破綻処理
5 早期健全化法の運用 6 国際金融の世界で
VI 金融担当大臣として
1 離任期間のアフターケア 2 不良債権の直接処理に踏み切る 3 生保不安 4 株価安定化対策
5 他業からの銀行業への参入および銀行等の信託兼営の拡大 6 証券市場活性化 7 創造的行政の追求
8 小泉内閣下の不良債権処理