至誠堂書店

規範論と理論刑法学

規範論と理論刑法学

販売価格: 11,000円 税込

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著者
高橋則夫・著
発行元
成文堂
発刊日
2021-04-15
ISBN
978-4-7923-5330-8
CD-ROM
無し
サイズ
A5判上製 (564ページ)
実践的な規範学である理論刑法学と理論的な規範学である規範論の基礎を探究し、「行為規範と制裁規範」という規範論パラダイムから、犯罪論と刑罰論の重要問題を考察する。

目  次
 はしがき

第1章 刑法における行為規範と制裁規範
 1 はじめに1
 2 行為規範と制裁規範の結合
   ―ハートのルール・モデルを基底に―4
 3 行為規範の意義と機能7
 4 制裁規範の意義と機能10
 5 行為規範と社会的行為論12
 6 制裁規範と客観的帰属論14
 7 おわりに17
 8 追 記19

第2章 刑法・民法における行為規範と制裁規範
 1 はじめに22
 2 刑事責任と民事責任22
 3 刑事不法と民事不法24
 4 刑法と民法の接近―損害回復―25
 5 刑法・民法における行為規範と制裁規範
   ―刑罰・損害賠償の機能論と規範論―28
 6 おわりに―修復責任の展望―30
第3章 犯罪論における同時存在原則とその例外
 1 はじめに32
 2 ベランダ転落死事件34
 3 実行行為の存在時期36
 4 故意の存在時期40
 5 因果関係の錯誤43
 6 同時存在原則の基点としての行為44
 7 おわりに47
 8 追 記49

第4章 犯罪論における分析的評価と全体的評価
    ―複数行為における分断と統合の問題―

 1 はじめに50
 2 作為と不作為による結果惹起
   ―行為・実行行為の分断と統合―51
 3 反撃行為と追撃行為
   ―量的過剰防衛における分断と統合―55
 4 おわりに59

第5章 「一連の行為」論をめぐる諸問題(講演)
 1 はじめに60
 2 「一連の行為」の展開62
(1)構成要件該当性段階における「一連の行為」(62)
(2)違法阻却段階における「一連の行為」(68)
(3)責任阻却段階における「一連の行為」(70)
(4)各犯罪類型における「一連の行為」(70)
 3 「一連の行為」論の意義と適用73
(1)構成要件該当性段階における「一連の行為」論(74)
(2)違法阻却段階における「一連の行為」論(79)
(3)責任阻却段階における「一連の行為」論(81)
(4)犯罪論の各段階における「一連の行為」論(82)
(5)各犯罪類型における「一連の行為」論(83)
 4 おわりに83

第6章 構成要件解釈における「一連の行為」論
 1 はじめに86
 2 事後強盗罪における「窃盗の機会」88
 3 強盗致死傷罪における「強盗の機会」91
 4 強制わいせつ等致死傷罪における「随伴行為」98
 5 おわりに―複数行為による結果的加重犯―100

第7章 不作為による殺人罪の成否
 1 はじめに103
 2 シャクティ治療殺人事件104
 3 実行行為の存在時期107
 4 不作為犯の成否109
 5 故意の存在時期112
 6 共同正犯の成否・錯誤113

第8章 早すぎた構成要件の実現
 1 はじめに115
 2 クロロホルム殺人事件118
 3 行為の個数121
 4 実行行為性の判断123
 5 故意の構造127
 6 おわりに130

第9章 犯罪論における「構成要件の重なり合い」の
    規範論的・機能的分析

 1 はじめに132
 2 「異なる構成要件間の錯誤」について133
 3 「共謀の射程」について139
 4 「異なる構成要件間における共同正犯の成否」について141
 5 「行為規範における故意」と「制裁規範における故意」
  の連関143
 6 おわりに149

第10章 犯罪論における「精神障害に基づく錯誤」の問題
 1 はじめに151
 2 最高裁平成20年決定の問題性153
 3 完全酩酊罪(ドイツ刑法323条a)における「酩酊行為」155
 4 精神病院における収容(ドイツ刑法63条)における
   「違法な行為」158
 5 「精神障害に基づく錯誤」の法的処理161
(1)仮定的判断アプローチの問題性(161)
(2)自然的意思アプローチの問題性(164)
 6 故意の体系的地位と責任無能力者の故意との関係167
 7 責任無能力者についての構成要件的故意と責任故意
   の区別169
 8 おわりに171

第11章 過失犯の行為規範
 1 はじめに173
 2 故意犯の行為規範と過失犯の行為規範174
 3 過失犯の行為規範と統一的正犯性180
 4 過失犯の行為規範と過失の標準184
 5 おわりに―許された危険の法理―186

第12章 過失犯における「行為・実行・帰属」
 1 はじめに189
 2 過失犯における「行為・実行」の問題
   ―信頼の原則と結果回避可能性―191
 3 過失犯における「帰属」の問題
   ―実行行為性判断と介在事情判断―198
 4 事前判断と事後判断の対応原則202
 5 おわりに204

第13章 過失犯における行為規範と注意規範の連関
 1 はじめに207
 2 過失犯の対象としての行為208
 3 過失犯における注意規範の位置づけ210
 4 渋谷温泉施設爆発事件をめぐって212
(1)事実の概要(212)  (2)決定要旨(214)  (3)検 討(216)
 5 おわりに221
第14章 主観的違法要素と違法論
 1 はじめに223
 2 法益保護と行為規範224
 3 評価規範と決定規範225
 4 行為規範と制裁規範227
 5 主観的違法要素の位置づけ228
 6 個々の主観的違法要素の検討229
 7 おわりに233

第15章 正当防衛の規範論的構造
     ―最高裁平成29年決定をめぐって―

 1 はじめに235
 2 許容規範としての正当防衛235
 3 正当防衛の権利性―「正の確証」と正義論・国家論―238
 4 「急迫性」の判断構造―最高裁平成29年決定をめぐって―245
 5 おわりに251

第16章 相互作用規範としての行為規範
 1 はじめに253
 2 現行犯逮捕と法令行為254
 3 法令行為の違法阻却根拠255
 4 現行犯逮捕のための実力行使の相当性257
 5 逮捕意思という主観的正当化要素259
 6 法令行為と正当防衛・自救行為との関係260
 7 35条と230条の2の関係262
 8 防衛行為の必要性と相当性263
第17章 「実行の着手」の規範論的構造
 1 はじめに268
 2 規範論から見た「実行の着手」270
 3 実行の着手時期と未遂犯の処罰時期272
 4 本判決における「詐欺罪の実行の着手時期」判断の構造274
 5 本判決における「詐欺罪の実行の着手時期」判断の分析279
 6 おわりに283
 7 追 記284

第18章 不能犯における「行為規範と制裁規範の結合」
 1 はじめに287
 2 規範論から見た不能犯288
 3 制裁規範の問題としての不能犯291
 4 「だまされたふり作戦」における「受け子」の罪責
   ―不能犯論を中心に―294
(1)因果関係の問題(295)  (2)不能犯の問題(297)
 5 おわりに302

第19章 中止行為の規範論的基礎づけ
 1 はじめに303
 2 規範論から見た中止犯論303
 3 刑罰目的から見た中止行為306
 4 Wiedergutmachungstatとしての中止行為309
(1)回復行為としての中止行為(309)
(2)中止行為の態様―前提としての危険の判断基準―(310)
(3)中止故意(313)
(4)中止行為の正犯性―事後行為支配性―(314)
(5)中止行為と結果不発生との因果関係(316)
 5 おわりに317

第20章 規範論による正犯・共犯論の再定位
 1 はじめに319
 2 行為規範と制裁規範の「対置」と「結合」320
 3 「行為規範と制裁規範」の正当化根拠321
 4 「行為規範と制裁規範」の「対置」の意義322
 5 規
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