至誠堂書店

奪われた在日コリアンの日本国籍―日本の移民政策を考える

奪われた在日コリアンの日本国籍―日本の移民政策を考える

販売価格: 4,180円 税込

数量
著者
李洙任・著
発行元
明石書店
発刊日
2021-04-16
ISBN
978-4-7503-5171-1
CD-ROM
無し
サイズ
A5判上製 (230ページ)
そもそも日本人とは誰を指すのか。「外国人」と「日本人」の線引きは国籍法に依拠するが、国籍とは、ややもすると性別と同様「天与のもの」と考えられがちである。しかし、植民地時代の朝鮮人が「帝国臣民」となったり、また 1984年の国籍法・戸籍法の改正に(1985 年施行)よって日本国籍取得の対象者の枠が拡大されたりしたことからもわかるように、国籍は天与のものではなく、すぐれて人為的なものであることを私たちは理解する必要がある。国籍がいかに人為的に操作されるかをうかがい知ることができる。本著では、日本による朝鮮半島の植民地支配によって日本国籍を強要され、戦後一方的に日本国籍を喪失させられた人たちが外国人として社会の周辺に置かれている。本著では、密室行政の最たる帰化行政や情報弱者のために 帰化に関して情報発信を行う行政書士について、そして帰化した人たちがどのような意識で社会に参画しようとしているかという重層的なアイデンティティなどをテーマに取り上げる。 朝鮮半島から日本へ移住し、定住化した在日コリアンは、日本経済の底辺を支えた移住労働者である。よって、日本では過去から今日まで移民は存在しているにもかかわらず、日本政府は外国人は管理対象であるという 価値観から脱皮できていない。労働力の弱化や急速に進む少子高齢化に対応するため新たな海外からの移住労働者に依存しなくてはいけない日本の移民政策を考える著。
目次
はじめに

第I部 国籍という呪縛

第1章 日本の帰化行政――密室行政と悪しき慣例
第2章 情報弱者を支援する行政書士のインターネット情報
第3章 コリア系日本人として生きる
 コラム1 就職差別という制度的差別と国籍の壁

第Ⅱ部 日本社会を支えるのは誰か

第4章 日本最大のエスニック・マイノリティ・ビジネス――在日コリアン系起業家についての新視座
第5章 日本経済を支えた朝鮮からの移住労働者たち――伝統産業西陣の事例から
第6章 変化し始めた日本の外国人政策
 コラム2 日本のために一生懸命働いた――西陣に生きた在日朝鮮人女性

第Ⅲ部 日本人とは誰を指すのか

第7章 植民地支配に対する未来責任と特別永住者への処遇
第8章 コリア系日本人としてのルーツの再認識
第9章 日本人と在日コリアン――異文化理解の観点から
第10章 旧植民地出身者とその子孫、そしてコリア系日本人――日本の移民政策の幕開け
 コラム3 日本人から信用を得る、それが差別に打ち勝つ最強の手段

おわりに 知られざる歴史から理解する人間の重層的アイデンティティ

 索引
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