判例からひも解く実務民法 改訂版


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●民法(財産法)の主要な論点を判例の考え方に基づき詳解
● 元裁判官が,民法(財産法)を理解するうえで必要な判例を用いて簡潔にわかりやすく解説
●平成30年・令和3年民法改正に対応
●新しく設問と解説を加え,ますます充実
●法曹実務家とロースクール生のための基本書
目次
第1章 物 権
第1節 総 説
? 物権と債権との区別
? 物権的請求権
? 所有権に基づく返還請求権
1 占有権との関係
2 登記請求権との関係
3 中間省略登記
4 建物収去土地明渡請求における建物の登記名義等
? 交互侵奪の場合の処理
第2節 物権変動
? 総 説
1 不動産取引についての規律
2 不動産取引における登記の意義
? 不動産取引に関する94条2項類推適用との関係
1 94条2項の類推適用
2 類型的検討
? 意思外形対応型 ? 意思外形非対応型
? 外形他人作出型 ? ま?と?め
? 物権変動(対抗問題)の具体的検討
1 意思表示の取消し
? 第三者出現前の取消し ? 第三者出現後の取消し
? 善意無過失の第三者 ? 法定解除
2 取得時効
? 時効完成後に第三者に譲渡した場合
? 時効完成前に第三者に譲渡した場合
? 時効に関する判例の整理 ? 自主占有か他主占有か
? 占有の承継
3 相 続
? 遺産分割協議後の第三者との関係
? 遺産分割協議前の第三者との関係
? 「相続させる」旨の遺言の効力
? 放 棄
4 建物収去土地明渡請求の建物の登記名義
? 土地占有者と建物の登記名義
? 建物の登記名義が通謀虚偽表示の場合
5 所有権留保の自動車名義
第3節 第三者について
? 第三者の意義
? 悪意の第三者
1 第三者は悪意でもよいか
2 背信的悪意者について
3 背信的悪意者からの転得者
4 制限物権の譲受人の場合の第三者
? その他の対抗問題
1 立 木
2 種 苗
第4節 動産の物権変動
? 動産の対抗要件
? 即時取得と占有改定等
1 即時取得と占有改定
2 即時取得と指図による占有移転
? 登録を要する動産
1 自?動?車
2 建設機械
第5節 そ?の?他
1 共有者間の権利関係
? 概 説
? 具体的検討
2 占有に関する立証について
第2章 債 権
第1節 全体構造の理解
? 債務不履行・契約の解除・危険負担・担保責任の関係
1 契約解除・損害賠償請求
2 目的物の滅失の場合
? 特定物の滅失と特定物引渡債務の関係及び債務者の帰責事由
? 特定物の滅失と引渡債務の債権者の帰責事由
3 法定解除権行使の効果
? 法定解除権の法的構成
? 法定解除の効果と使用利益
? 債務不履行による損害賠償
? 一つの契約の不履行を理由に他方の契約を解除できるか
4 ま?と?め
? 債権の広がりとその限界(不法行為との関係)について
1 債務の内容
2 安全配慮義務
3 説明義務について
? 診療契約における説明義務
? 契約締結上の説明義務について
? 契約の成立(意思の不合致)と錯誤との関係
第2節 法律行為
? 意思表示
1 意思表示の意義
2 基礎事情の錯誤(動機の錯誤)について
? 基礎事情の錯誤(2号錯誤)の位置づけ ? 具体的検討
? 代?理?権
1 代理の位置づけ
2 代理権の濫用(権限濫用)
? 意 義 ? 具体的事例の検討 ? 親権者の事例
? 表見代理
1 白紙委任状による代理権授与表示
? 問?題?点 ? 白紙委任状の交付の趣旨
? 白紙委任状の交付と特定他人
2 109条2項(109条と110条との重畳適用)
3 110条の正当理由
? 意 義 ? 具体例の検討 ? 正当事由の主張立証責任
4 日常家事債務と110条の適用
? 761条は代理権を定めたものか
? 761条は110条の基本代理権となるか
? 無権代理と地位の相続
1 本人の無権代理人相続,無権代理人の本人相続(単独相続の場合)
2 無権代理人が本人を他の相続人とともに承継する場合
3 本人が無権代理人の地位を他の相続人とともに承継する場合
第3節 契約各論
? 賃貸借契約
1 意 義
2 他人物賃貸借
? 他人物賃貸借契約の法律関係について
3 目的物の譲渡(賃貸人の地位の移転の解釈)
4 賃貸人の地位の移転について
? 合意による賃貸人の地位の移転
? 賃貸人の地位の移転に伴う法律関係
5 更新料について
6 賃貸人の修繕義務について
? 設例?について
? 設例?について
7 賃借人の用法義務違反
8 賃借権の譲渡・転貸について
? 賃貸人の同意のない賃借権の譲渡・転貸について
? 適法な転貸の場合
9 賃料支払義務
10 信頼関係破壊の法理
? 意 義 ? 要件事実の整理
11 建物所有目的の借地契約における更新拒絶について
? 借地借家法6条の正当事由 ? 要件事実の整理
12 企業間の継続的契約について
? 企業間の継続的契約の解消について
? サブリース契約
? 請負契約
1 総 論
? 意 義
? 請負契約における「仕事の完成」の要件について
2 建物建築請負契約
3 元請下請の関係
? 問題の所在 ? 元請契約に注文者帰属の合意がある場合
? 元請契約に注文者帰属の合意がない場合
4 設計者と建築業者との関係
5 建物の基本的安全性
? 寄託契約
1 預金契約について
2 預金契約の契約当事者
? 問?題?点 ? 学 説 ? 判例の考え方
3 誤?振?込
4 預金口座からの無断払戻し
? 前提の確認
? 生前の200万円の引出しについて甲の承諾がない場合
? 生前の200万円の引出しについて甲の承諾がある場合
5 甲死亡後引出しの場合
? 定型約款
1 定型約款に関する改正
2 約款の適用について
? 問題提起 ? 判例の紹介
? 既に支払った情報提供料について
第3章 債権を確保するための制度
第1節 総 論
第2節 保証債務
? 保証をめぐる問題
? 主債務の範囲
1 保証債務の中味
2 保証と時効
? 主債務者が消滅時効の援用をしていた場合に保証人が債務を弁済したときの
求償関係
? 主債務の消滅時効完成後,主債務者が時効の援用をしていないときに保証人
が支払った場合の求償関係 ? 事前求償権
第3節 抵?当?権
? 抵当権の有効性
? 抵当権の効力が及ぶ範囲
? 妨害排除請求権
? 法定地上権の成否
1 法定地上権の意義・成立要件
2 同時存在(要件①に関して)
? 土地・建物の共同抵当権設定後の建物再築の場合
? 抵当権設定後の建物再築の際の抵当権者の「予測」
3 共有の場合(要件②に関して)
? 土地共有の場合 ? 建物共有の場合
第4節 譲渡担保権
? 意 義
? 譲渡担保権の実行に関して
? 受戻権の行使
? ま?と?め
? 集合物譲渡担保
1 最高裁判所平成18年7月20日判決の事例
2 本件契約1は売買か譲渡担保か
3 集合物譲渡担保の実行についての問題点
4 集合物譲渡担保権の公示方法について
5 本件契約2の法的性質について
第5節 相 殺
? 相殺の機能・要件等
1 相殺の機能
2 基礎的な知識
? 508条の解釈