事例解説 離婚と財産分与 裁判実務における判断基準と考慮要素
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元裁判官によるケーススタディ
●多種多様な財産分与の事案を数多く見てきた著者が
裁判実務の視点から分かりやすく解説!
●典型例はもとより現代的な事案対応の中で抱く疑問や
よく目にする問題をピックアップ!
●これまで議論が十分でない事例も取り上げて
問題解決に向けた考え方や実務指針を提示!
■書籍内容
第1章 財産分与の意味・内容
➶事例1-1 財産分与の内容に含まれる要素
1 財産分与の意味・内容
⑴ 財産分与の意味・根拠
⑵ 財産分与の内容
2 財産分与の要素及び根拠
⑴ 清算的要素としての財産分与
⒜ 実質的共有説
⒝ 不当利得返還説
⒞ 組 合 説
⒟ 平等保障説
⒠ 婚姻共同体財産説
⑵ 扶養的要素としての財産分与
⒜ 予後効説
⒝ 清 算 説
⒞ 離婚手当説
⒟ 補償的財産分与説
⑶ 慰謝料的要素としての財産分与
⒜ 離婚慰謝料と財産分与の関係
⒝ 離婚慰謝料の性質
⒞ 慰謝料的要素の内容
3 判例・実務
⑴ 財産分与の内容とその関係
⑵ 財産分与の各要素
⒜ 清算的要素
⒝ 扶養的要素
⒞ 慰謝料的要素
⑶ 財産分与算定の方式
⒜ 財産分与請求権の個数
⒝ 算定方式
4 事例の検討
➶事例1-2 清算的財産分与における実質的共有
1 財産分与請求権の存続期間
2 清算的財産分与における実質的共有の意味
⑴ 清算的財産分与の対象となる共有
⑵ 物権法上の共有と財産分与
3 実質的共有と物権法上の共有の判断基準
⑴ 物権法上の共有関係の成立
⑵ 財産分与請求ができない場合の共有の主張の可否
4 事例の検討
第2章 財産分与請求権の性質
➶事例2-1 財産分与請求権の相続
1 財産分与請求権の権利性
⑴ 財産分与請求権の成立時期
⒜ 確 認 説
⒝ 形成説(創設的形成権説)
⒞ 折衷説(段階的形成権説)
⒟ 裁 判 例
⑵ 一身専属性の有無
2 財産分与請求権の相続性
⑴ 一身専属性に関する視点
⑵ 成立時期に関する視点
⒜ 離婚前の財産分与請求権
⒝ 離婚後の財産分与請求権
⒞ 財産分与請求権の要素に関する視点
3 事例の検討
➶事例2-2 財産分与義務の相続性
1 財産分与義務の相続性
2 共同相続により承継した財産分与義務
3 事例の検討
第3章 内縁・事実婚解消における財産分与規定の類推
➶事例3-1 現代型内縁関係
1 内縁関係
⑴ 内縁関係の法的性質
⒜ 現代における非婚関係の多様性
⒝ 共同生活関係の保障の必要
⒞ 準婚理論
⒟ 婚外関係に対する学説
⑵ 内縁関係の成立と解消
⒜ 内縁関係の成立要件
⒝ 内縁関係の解消
2 内縁関係に対する婚姻規定の類推
⑴ 準婚理論が適用される場合
⑵ 準婚理論の再検討を求める見解
3 事例の検討
➶事例3-2 パートナーシップ関係
1 準婚理論拡張の可否
2 生活費の分担義務
3 不当な解消に伴う損害賠償請求
4 パートナーシップ関係解消に伴う財産分与
⑴ 財産分与規定の類推の可否
⑵ パートナーシップ関係解消の際の財産関係の清算
5 事例の検討
➶事例3-3 重婚的内縁関係
1 重婚的内縁関係の意味及びこれから生じる問題
⑴ 重婚的内縁関係の意味
⑵ 重婚的内縁関係から生じる問題
2 重婚的内縁関係解消の際の財産分与規定の類推
⑴ 財産分与規定類推適用の要件
⑵ 財産分与の額の算定
⒜ 清算的財産分与
⒝ 扶養的財産分与
3 事例の検討
➶事例3-4 内縁が死亡により解消したときの清算
1 内縁関係が死亡によって解消された場合の財産分与請求権
⑴ 財産分与肯定説
⑵ 財産分与否定説
⑶ 裁判実務
2 類推ができない場合の救済の方法
⑴ 相続法(民890条)の類推
⑵ 契約法の一般理論による救済
⒜ 共 有 説
⒝ 不当利得説
⒞ 報 酬 説
3 事例の検討
第4章 清算的財産分与における清算の割合
➶事例4-1 清算割合の決定基準
1 清算的財産分与における清算の基準
⑴ 清算割合についての諸説
⒜ 寄与度説
⒝ 平 等 説
⒞ 平等推定説
⒟ 実 務
⑵ 経済活動の類型における寄与度
⒜ 専業主婦型
⒝ 共働き型
⒞ 家業従事型
2 寄与度に差が認められる場合
⑴ 特別な資格や能力による格差
⑵ 就労の態様による格差
⑶ 就労の程度による格差
⑷ 一方のみがする家事労働
⑸ 特有財産による財産形成
⒜ 特有財産を原資とする財産形成
⒝ 特有財産の運用利益による財産形成
⑹ マイナスの寄与
3 事例の検討
⑴ 財産分与対象財産からの除外の可否
⑵ 財産分与における清算
➶事例4-2 夫婦の一方が稼働しない場合の寄与割合
1 夫婦の一方が経済活動をしない場合の類型
⑴ 専業主婦型
⑵ 怠惰等の類型
⑶ 失業類型
⑷ 病気等の類型
2 事例の検討
⑴ 特有財産の運用利益の財産分与対象性
⑵ 収益行為を行わない場合の清算割合
3 結 論
第5章 清算的財産分与における清算の基準時
➶事例5-1 財産分与対象財産確定の基準時
1 基準時と財産分与対象財産の関係
2 基 準 時
⑴ 原則としての別居時
⑵ 別居時を基準としない場合
⑶ 基準時が明確でない場合
⒜ 同居と別居が繰り返される場合
⒝ 単身赴任中・出稼ぎ中の破綻等
3 事例の検討
➶事例5-2 基準時が明確でない場合の裁判時説
1 基準時の特定を要しない場合
2 事例の検討
第6章 清算的財産分与の対象財産
➶事例6-1 財産分与対象財産の範囲(総論)
1 財産分与対象財産の判断基準
⑴ 婚姻中に取得した財産であること
⒜ 夫婦名義の財産
⒝ 他人名義の財産
⒞ 法人名義の財産
⑵ 特有財産でないこと
⑶ 基準時に存在する財産であること
⒜ 基準時における存在の必要
⒝ 基準時後の滅失
⒞ 別居の際に持ち出された財産
⒟ 財産分与対象財産の基準時後の果実
⒠ 将来取得する財産
2 特有財産
⑴ 特有財産の除外
⒜ 特有財産の範囲
⒝ 親族からの贈与
⒞ 専用財産等
⑵ 特有財産であっても財産分与対象財産となる場合
⒜ 夫婦の協力によって