至誠堂書店

日本国憲法制定の過程 資料考証と解題

日本国憲法制定の過程 資料考証と解題

販売価格: 23,100円 税込

数量
著者
芦部信喜/高見勝利・著
発行元
信山社
発刊日
2024-07-23
ISBN
978-4-7972-2687-4
CD-ROM
無し
サイズ
A5判上製 (704ページ)
日本立法資料全集の「皇室典範」「皇室経済法」「日本国憲法制定資料全集(全19巻)」に掲載された芦部信喜の「はしがき」と高見勝利が執筆した考証・資料解題を一巻にとりまとめた。憲法制定経過全体の確認と解題等の理解の便宜のため、巻末に収録資料の一覧を添付した。本書により憲法と皇室法の制定経過と論点が余すところなく読み取ることができる。実務家・憲法研究者必携の一冊である。

【目 次】

◇第一編 日本国憲法の制定経過◇

◆第一部 憲法問題調査委員会関係資料等
〔『日本国憲法制定資料全集』第1巻、一九九七年〕

第一章 立案の経緯
 (1) 初期の政府部内調査
 (2) 内大臣府調査
 (3) 憲法問題調査委員会

第二章 資料の解題
 (1) 初期の政府部内調査
 (2) 内大臣府調査
 (3) 憲法問題調査委員会

◆第二部 憲法問題調査委員会参考資料
〔『日本国憲法制定資料全集』第2巻、一九九八年〕

第一章 内大臣府・憲法問題調査委員会の活動に関する新聞記事
 (1) 内大臣府の調査活動等に関する新聞記事
 (2) 憲法問題調査委員会の活動等に関する新聞記事

第二章 参考資料の解題

◆第三部 マッカーサー草案・改正草案要綱──周辺資料から読み解く「押しつけ」の実相
〔『日本国憲法制定資料全集』第3巻、一九九八年〕

はじめに

第一章 序の段
 (1) ボタンの掛け違い
  ア 日本側の条件/イ バーンズ回答/ウ 「国体」護持/「責任政府」樹立/エ 憲法はどうなるのか?
 (2) GHQ/SCAPの「憲法改正」指示と日本側の対応
  ア マックの「改正」指示/イ 指示の背景/ウ アチソンの「一二項目」示唆/エ バーンズの訓令/オ 高木メモとSWNCC-228/カ 高木メモと近衛案の異同/キ 天皇の章と「人民主権」
 (3) 幣原のマッカーサー会見と近衛に対する憲法改正調査の下命
  ア 近衛考査の下命と幣原に対するマックの示唆/イ 高木らの「予備工作」/ウ 天皇と木戸の覚悟/エ 内大臣府における近衛考査の決定
 (4) 内大臣府での考査に対する内閣の反発、松本委の設置
  ア 幣原の閣議報告/イ 幣原に対する近衛の諒解工作/ウ 近衛考査の新聞報道と松本ら閣僚の反発/エ 対抗策としての政府の調査会設置決定/オ 松本委の趣旨・目的
 (5) 近衛調査の頓挫
  ア 突如のGHQ声明と近衛の弁明/イ アチソンの釈明/ウ 近衛の戦争責任問題/エ 近衛考査のアメリカ・メディアによる発信/オ ブラインズ報道とその衝撃/カ 木戸の対応と近衛の弁明/キ 致命傷となった『ニューヨーク・タイムス』記事と社説/ク 近衛と松本委の役割分担、宮沢談話と佐々木の反論
 (6) 近衛の佐々木招請と共同調査の顛末、近衛の奉答
  ア 近衛による佐々木招請の経緯/イ 両者の調査スタンスの違い、表面化/ウ 両案ともアチソン示唆との関係では径庭なし/エ 違いは勅命の理解、両者の亀裂、各別の奉答/オ 内府廃止の始動/カ 内府廃止情報と近衛グループ/キ 木戸の辞表提出と近衛・佐々木の動き/ク 近衛の奉答/ケ 近衛・木戸の戦争責任に関するノーマン覚書とアチソンの書簡
 (7) 梯子をはずされたアチソンの動き
  ア マックによる近衛グループとアチソン・グループの分断/イ アチソンの危惧と策動/ウ アチソン策定の「声明」文案
 (8) 近衛・要綱と松本委「別刷ノ問題集」
  ア 近衛・要綱、内閣へ下げ渡しの報と松本の否認/イ 下げ渡しの「実相」と松本委における「別刷ノ問題集」審議/ウ 松本委の対応に対する高木の嘆きと注文
 (9) 松本の入閣と憲法調査
  ア 入閣の経緯と閣議での発言、憲法調査の主任大臣に/イ 「憲法改正」に関する松本の基本スタンスと委員の選抜/ウ 調査研究から改正要否の検討へと急転/エ 松本四原則のアドリブ表明/オ 松本委における逐条調査と甲・乙二案の策定

第二章 破の段
 (10) アチソンが伝える松本委活動の評価
  ア 解釈対応の美濃部説がベース/イ アチソンが伝える松本委の「結論」とその出所/ウ 第七一条改正案の大胆さ
 (11) SWNCC-228の「結論」案と松本委との意思疎通の必要性
  ア SWNCC-228の策定と「結論(修正)」案の勧告・手続/イ 明治憲法一〜四条改変、GSと松本委パイプ接続の必要性
 (12) 松本の奏上、要綱(甲案)の策定
  ア 私案の奏上と佐々木案の下げ渡し/イ 私案をベースに要綱案の策定
 (13) 要綱の確定、閣議了解、奏上、GHQ折衝
  ア GHQから矢の催促と松本の態度/イ GHQとの非公式会談の設定/ウ 要綱の閣議了解、GHQ提出、奏上(内奏)/エ 松本案に対する「御下問」と宮沢試案/オ 松本の改正「完遂」意思に対する天皇の批判的感想
 (14) 幣原内閣、松本委による憲法改正に対する疑義
  ア 幣原内閣による憲法の「自由主義化」は期待薄、天皇に期待/イ 松本に対する追放指定とその善後策/ウ 総選挙実施日程の変更と憲法改正案の特別議会提出/エ 特別議会(旧来の貴族院)での改正案審議に対するGHQ側の疑念
 (15) 憲法改正をめぐる極東委員会とGHQの権限抗争
  ア モスクワ三国外相会議/イ 早期降伏による米国主導の占領とFEACの立ち上げ/ウ FEACの活動(ソ連欠席)と英提案のFEC設置に向けた議論/エ 米国の譲歩で、憲法変革はFECの権限に/オ 共同コミュニケにおける「日本の憲法変革」規定とその含意/カ マック、権限移行に反対せずとの報に反論、長官弁明へ/キ マック、FEAC委員との会談で、FECへの権限移行を言明/ク FEAC委員による、GS内での改正案検討有無の追及/ケ GSによる現時点での、憲法改正にかかるSCAP権限の精査/コ FECとの関係で、現時点ではSCAPに権限ありとの論結/サ 日本政府に対する指示指針、マ草案策定準則としてのSWNCC-228

第三章 急の段
 (16) 分水嶺としての二月一日
  ア 『毎日新聞』による松本委試案のスクープ/イ 試案に対するホイットニーの評価、対応策/ウ マックの反応、GSに対する指示/エ 「マッカーサー三原則(ノート)」/オ 三原則を導くマックの年頭声明/カ GSによる草案起草とラウエルの予備調査/キ ホイットニーによる起草組織の立ち上げと完成期日の設定/ク マ草案起案の経緯/ケ マックによる草案の承認と松本案不受理の覚書
 (17) マッカーサー草案の手交──ボタンのかけ直し──
  ア 松本ら日本政府側にとって「青天の霹靂」の二月一三日会談/イ ホイットニー局長の冒頭発言/ウ ホイットニー局長によるマ草案の概要説明/エ 松本のメモ書きと回想/オ いわゆる「person of the Emperorの保障」発言の有無
 (18) マ草案を受け取った政府の対応、天皇の反応、GHQの応対
  ア 白洲の「ジープ・ウエイ・レター」とホイットニーの返信/イ 松本「説明補充」持参の白洲に対するホイットニーの最後通告/ウ マ草案手交の閣議報告と閣議室に走る衝撃/エ 幣原・マック会談の設定と会談結果の閣議報告/オ 幣原報告に対する閣僚の反応と閣議の方針決定/カ 幣原の奏上と天皇の「御一言」/キ 松本・吉田のホイットニー会談とその概要/ク 総選挙期日の延期決定とマ草案外務省訳全文の閣議配付
 (19) 日本案の作成とGS折衝
  ア 松本・佐藤(達)による起案と初稿、三月二日案/イ 三月二日案の奉呈とGS持参、松本の退出/ウ 徹夜の逐条審議/エ 松本の閣議報告とGSとの間で確定した改正案の取り扱い/オ 幣原・松本による改正案の奏上、「要綱」形式での発表/カ 要綱の策定、公表とマック声明
 (20) 国務省、FECとSCAPの相剋
  ア 要綱に対し、「寝耳に水」の国務省・FEC/イ バーンズ長官の対応、FECの「政策決定」/ウ FEC決定を受け取ったマックの、ACJにおける応答/エ FECの、マックに対する情報提供・幹部派遣要請/オ 新憲法採択原則に関するFEC決議とマック声明/カ 米政府による遅ればせのマック回答の開示とFECの態度硬化/キ 新憲法草案「承認」にかかるマックの弁明/ク マッコイの「面目」とマックの「承認」/ケ 周回遅れのFEC要請
 (21) 憲法改正の手順について
  ア 憲法改正案の特別議会提出の段取り二案/イ 第二案既定方針との新聞報道に対し、閣議は第一案を決定/ウ 要綱の成文化にむけた関係官庁や学者と法制局との打ち合わせ/エ 枢密院に対する、要綱公表に至る経過の説明

むすびにかえて

◆第四部 憲法草案・要綱等に関する世論調査
〔『日本国憲法制定資料全集』第4-Ⅰ・Ⅱ巻、二〇〇八年〕

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