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芦部憲法学 軌跡と今日的課題

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芦部憲法学 軌跡と今日的課題

販売価格: 10,560円 税込

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著者
高橋和之/長谷部恭男・編
発行元
岩波書店
発刊日
2024-09-30
ISBN
978-4-00-061659-1
CD-ROM
無し
サイズ
A5判上製 (718ページ)
芦部信喜の憲法研究とは何であったか。それは、戦禍の末生まれた憲法によって導入された違憲審査制を日本に根付かせる営みであり、平和主義・法の支配・自由主義等の価値を、政治、司法、国民に伝える不断の努力であった。生誕100年記念、芦部の研究の功績を評価し残された課題を共有する、憲法学者29名渾身の書き下ろし決定版!

目次
はしがき……………高橋和之

第一部 総 論

 第一章 「政治」の現れる場所──芦部信喜の憲法制定権力論をめぐって……………林 知更
  Ⅰ 歴史的位置
  Ⅱ 「政治」という問い
  Ⅲ 「政治」の現れる場所
 第二章 芦部信喜の八月革命……………西村裕一
  Ⅰ 問 題
  Ⅱ 解 答
  Ⅲ 検 討
 第三章 9条解釈──岐路と軌跡……………長谷部恭男
  Ⅰ 問題の設定
  Ⅱ 国際紛争を解決する手段としての戦争等の放棄
  Ⅲ 戦力の不保持
  Ⅳ 交戦権の否定
  Ⅴ 自衛権および自衛力
  Ⅵ 結 論
 第四章 公共の福祉……………石川健治
  序 À la recherche du nomos perdu
  Ⅰ 若き芦部信喜の思想
  Ⅱ 国家目的論のゆくえ
  Ⅲ 「公共の福祉」論の再構成
  結 The False Antinomy
 第五章 基本権の制約を正当化する法理──違憲審査基準論か構造化された比例原則か……………井上典之
  はじめに
  Ⅰ 二重の基準から細分化された違憲審査基準論へ
  Ⅱ 三段階審査による比例原則の適用
  まとめ
 第六章 人権の私人間適用──State Action理論の活路・基本権保護義務という要路……………西村枝美
  はじめに
  Ⅰ State Action理論の位置づけ
  Ⅱ 「純然たる事実行為」の位置づけ
  Ⅲ 基本権保護義務論の位置づけ
  おわりに

第二部 基本権各論

 第一章 包括的基本権論──論争における芦部信喜の位置……………渡辺康行
  はじめに
  Ⅰ 人格的利益説
  Ⅱ 一般的自由説
  Ⅲ 憲法13条をめぐる諸学説の展開
  結びに代えて
 第二章 投票価値の平等について……………安西文雄
  Ⅰ 判例のあり方と学説(1)
  Ⅱ 判例のあり方と学説(2)
  Ⅲ 考察の手がかり(1)
  Ⅳ 考察の手がかり(2)
  Ⅴ まとめにかえて
 第三章 芦部憲法学と政教分離訴訟……………野坂泰司
  Ⅰ 芦部信喜の政教分離論
  Ⅱ アメリカの判例理論
  Ⅲ 日本の判例理論
  Ⅳ 結びに代えて
 第四章 知る権利の「社会権的性格」をめぐって……………曽我部真裕
  はじめに
  Ⅰ 憲法学における「知る権利」論
  Ⅱ 芦部の知る権利論
  Ⅲ 芦部・知る権利論の今日的意義
 第五章 「明白かつ現在の危険」基準──芦部の考察がインターネット時代にもちうる意味……………毛利 透
  はじめに
  Ⅰ 芦部にとっての「明白かつ現在の危険」基準
  Ⅱ ブランデンバーグ基準の適用範囲をめぐる諸問題
  Ⅲ 芦部の考察がインターネット時代にもちうる意味
 第六章 表現の自由としての検閲?……………駒村圭吾
  Ⅰ 芦部流検閲概念論・再訪
  Ⅱ 「検閲代行」
  Ⅲ コンテンツ・モデレーション問題
  Ⅳ ハイプ的循環における検閲論
 第七章 憲法解釈としての猿払基準──香城敏麿の「利益衡量の方法」について……………青井未帆
  はじめに
  Ⅰ 香城の「憲法解釈の法理」
  Ⅱ 「判例による利益較量の方法」
  Ⅲ 「認識」「判断」
  まとめにかえて
 第八章 放送の自由・放送制度とデジタル社会……………宍戸常寿
  はじめに
  Ⅰ 放送の自由論の展開
  Ⅱ 放送制度の展開
  Ⅲ デジタル社会と表現の自由・放送制度
  むすびに代えて
 第九章 学問の自律と「国家の良心」──芦部信喜の憲法23条論……………松田 浩
  はじめに
  Ⅰ 憲法裁判へのかかわりにみる芦部の実践的立場
  Ⅱ 憲法史・憲法学史における芦部説の位相と現代的意義
  Ⅲ 「国家の良心」と芦部憲法学の魂
 第一〇章 生存権……………棟居快行
  Ⅰ 芦部『憲法』における社会権・生存権
  Ⅱ 生存権解釈の再定義(1)
  Ⅲ 生存権解釈の再定義(2)
  Ⅳ 再び芦部説に
 第一一章 職業選択の自由をめぐる違憲審査のあり方……………巻 美矢紀
  はじめに
  Ⅰ 合憲性推定の原則
  Ⅱ 芦部による規制目的二分論の基本的受容
  Ⅲ 規制目的二分論に対する根本的批判
  Ⅳ 規制目的二分論の正当化の再考
  Ⅴ 現代国家と経済
  Ⅵ 経済的自由の性格
  おわりに
 第一二章 裁判を受ける権利──訴訟と非訟の区分をめぐって……………笹田栄司
  はじめに
  Ⅰ 初期の判例と学説の対応
  Ⅱ 訴訟非訟二分論
  Ⅲ 審判手続において裁判官の裁量をコントロールする枠組みの欠如
  Ⅳ 仮の地位を定める仮処分と「純然たる訴訟事件」
  おわりに

第三部 国会と内閣

 第一章 国民主権と代表制……………小島慎司
  はじめに
  Ⅰ 憲法改正国民投票制
  Ⅱ 議会審議の空洞化と直接行動
  Ⅲ 選挙の仕組みとその運用
  結び
 第二章 憲法62条の憲政史──国政調査権の過去・現在・未来……………赤坂幸一
  はじめに
  Ⅰ 設定された思考枠組
  Ⅱ 通奏低音basso continuo
  Ⅲ 最高裁内部の動向
  Ⅳ 古い革袋に新しい酒を
 第三章 「議会政」と専門家の関与……………高橋雅人
  はじめに
  Ⅰ 芦部の議会政の認識
  Ⅱ 実践的場面での「行政」の経験と認識
  Ⅲ 民主的政治過程論の重要性
  Ⅳ 諮問機関による正当性の調達
  むすびに代えて
 第四章 選挙制度と公正かつ実効的な議会政……………只野雅人
  はじめに
  Ⅰ 2つの議会政像の相克
  Ⅱ 小選挙区制と議会政
  Ⅲ 政治改革と政権交代なき代表民主政
  むすび

第四部 裁判所と違憲審査

 第一章 司法の概念……………渋谷秀樹
  はじめに
  Ⅰ 近代立憲主義下の「司法」概念
  Ⅱ 現行憲法下における「司法」の分析
  Ⅲ 芦部信喜の司法概念
  むすび
 第二章 日本の違憲審査制の位置づけと評価……………佐々木雅寿
  はじめに
  Ⅰ 日本の違憲審査制の位置づけ
  Ⅱ 日本の違憲審査制の評価
  おわりに
 第三章 憲法判断回避の準則──その意義と限界……………土井真一
  はじめに
  Ⅰ 恵庭事件札幌地裁判決
  Ⅱ 憲法判断回避に関する学説の展開
  Ⅲ 芦部教授の憲法判断裁量説の検討
 第四章 応答促進的司法審査論を超えて……………大林啓吾
  序
  Ⅰ 応答促進的司法審査論
  Ⅱ 司法の役割と二重の基準
  Ⅲ 二重の基準と判例の関係
  Ⅳ 司法的応答確保のシナリオ
  後序
 第五章 芦部憲法訴訟論の「深層」と制度的思考──社会学的違憲審査のプラグマティズム……………山本龍彦
  はじめに
  Ⅰ 最高裁の制度的思考
  Ⅱ 芦部憲法訴訟論と制度的思考
  終わりに
 第六章 立憲主義と民主主義──「どぎつい」選択か、杯中の蛇影か……………大河内美紀
  はじめに
  Ⅰ 合衆国の司法の現在
  Ⅱ ポピュリスト立憲主義の挑戦
  むすびにかえて

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