至誠堂書店

増補版 賃金破壊 労働運動を「犯罪」にする国

増補版 賃金破壊 労働運動を「犯罪」にする国

販売価格: 1,870円 税込

数量
著者
竹信三恵子・著
発行元
旬報社
発刊日
2025-01-28
ISBN
978-4-8451-1972-1
CD-ROM
無し
サイズ
四六判 (312ページ)


勝利判決が続く一方で新たな弾圧も――



朝⽇新聞、東京新聞に書評が載り話題となった書籍の増補版!関生事件のその後について「補章」を加筆。



1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。そんな中、関西生コン労組は、労組の活動を通じて、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も、実現した。そこへヘイト集団が妨害を加え、そして警察が弾圧に乗り出した。

なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。迫真のルポでその真実を明らかにする。初版は2021年。本書はその後を加筆した増補版である。


◆主な目次

はじめに――増補にあたって

プロローグ

第1章 「賃金が上がらない国」の底で
 早朝のインターホン
 シングルマザーが自立できる職場
 「労組の意見は会社に必要」
 ワークライフバランスの獲得
 横つながりで買いたたきを防ぐ
 雇用の受け皿目指し会社をつくらせる
 すごい近いところにいるのに、すごい遠い労組

第2章 労働運動が「犯罪」になった日
 ベテラン弁護士を驚かせた捜査手法
 それは経営者の逮捕から始まった
 「大変なことになりますよ」
 「軽微な不備」と「嫌がらせ」
 暴力団事件を思わせる衝立設置
 公道でのビラまきも犯罪に
 「連帯が来なければよかった」
 「コンプライアンス活動」を知らない社会

第3章 ヘイトの次に警察が来た
 「大同団結」の達成
 6項目の提言
 大阪港SSという舞台
 整備不良車や車検証不掲示
 中央大阪生コンの就労拒否
 矢継ぎ早のスト対策
 「ホントに抜けるんやな」
 大阪広域協組への取材
 「暴力集団」という読み替え

第4章 労働分野の解釈改憲
 子どもまで巻き込んだ逮捕劇
 雇用の保障要求も「金品の恐喝」に
 和歌山県警の出動
 共謀罪の影
 「工藤會」摘発の手法
 ダブルスピーク
 労働法学者たちの危機感
 「ふつう」ではないが「まとも」な労働組合
 「裁判所の無知・無理解」

第5章 経営側は何を恐れたのか
 国会で叫ばれた「破防法適用」
 縮小するパイへの危機感
 暴力団との対峙の歴史
 「許されない三つのこと」
 企業の塀をはみ出す労働運動
 賃上げに天井を設ける政策
 元総理の「労組を崩壊させなきゃ」発言
 「有罪だろうが無罪だろうが関係ない」
 「草食動物」たちの沈黙
 「暴対法」という背景
 「労組をつぶす社会」のジリ貧

第6章 影の主役としてのメディア
 検索したらヘイト
 「偽装労組」扱いや「嫁」の紹介も
 リベラル野党政治家の追い落とし策?
 SNSが偏見を助長する構造
 芸能人並みのカメラの放列
 利用された主要メディアの沈黙
 「警察取材」という壁
 情報環境の惨状を立て直す

第7章 労働者が国を訴えた日
 「子どもの誕生日まで出られないぞ」
 生計の道を断つ保釈条件
 警察が労働組合法の解釈を説明
 「逃走して指名手配」の構図をつくる?  
家族への介入  けんちゃーん、愛してるよ
 求刑と量刑への疑問
 府労委ではほぼ全勝
 賃上げは「不当な要求による損害」?  
国際基準から問われる関西生コン事件

エピローグ
補章 反攻の始まり
 海外からの視線
 「物語」に合わせた切り貼り
 11件の無罪確定を生んだもの
 労働委員会まで変質
 同じ事実、別れる見解

増補版おわりに
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