至誠堂書店

一橋法学・国際関係学レクチャーシリーズ 法と社会 基礎法学の歩き方

一橋法学・国際関係学レクチャーシリーズ 法と社会 基礎法学の歩き方

販売価格: 3,080円 税込

数量
著者
一橋法学・国際関係学レクチャーシリーズ刊行委員会・編
発行元
国際書院
発刊日
2025-03-24
ISBN
978-4-87791-333-5
CD-ROM
無し
サイズ
四六判 (345ページ)
本書は「法学入門」書ではなく、基礎法学の諸分野への渉猟を通して現代法の統一的な基盤を提供しようとする。基礎法学は法のさまざまな普遍的諸法則を解き明かすことを目的とし、法の明暗の光ともなるだろう。
目次

プロローグ
◆ 基礎法学の歩き方屋敷二郎
基礎法学とは何か
法学は科学たりうるか
法学はいまでも科学なのか
基礎法学をいつ学ぶべきか
相対化の視点?
うんと肩の力を抜こう
基礎法学の諸分野について
パート1 法学のアプローチとしての比較
1 比較法学吉田聡宗
◆ 法を比較するということ
日本において法を比較する必要性
比較がもたらす楽しさ
比較の難しさ
比較対象 ――リンゴとオレンジは比較できない?
比較における価値判断
2 比較法文化論吉田聡宗
◆ 動物の法的な位置づけ
用語の整理
ドイツ法における「動物」
フランス法における「動物」
日本法における「動物」
統計値から見る日本法とドイツ法
3 英米法ジョン・ミドルトン
◆ 名誉毀損・報道被害をめぐるコモンロー圏と日本法の比較
コモンローにおける名誉毀損訴訟の要件
名誉毀損に関する単純な日本法の長所 ――名誉毀損訴訟の増加と報道被害者の勝訴率
「ロス疑惑」事件と訴訟制度の柔軟性
名誉毀損に関する複雑なコモンローの長所・短所 ――日本法との対比
名誉毀損に関する単純な日本法の短所 ――日本における再公表の責任意識の問題性
イギリスの1996年名誉毀損法による公表責任
裁判管轄権に関する問題
日本法の救済方法の検討 ――救済方法と損害賠償の高額化
コモンロー上の救済方法の検討 ――救済方法とそれをめぐる論議
損害賠償
差止命令
誤報・虚報と日本の訂正・取消放送
報道被害と裁判外の救済方法 ――メディア・アカウンタビリティ制度
イギリスの独立プレス基準機構(IPSO)の設立と活動
IPSOの倫理綱領
IPSOへの苦情の申し立て方
IPSOの苦情処理手続
IPSOの救済方法
IPSOの構成員と財源
イギリスのオフコム(通信放送庁)
コモンロー的アプローチから見た日本の現状
4 中国法但見亮
◆ 人格権から考える
「人格権(編)」の形成と概要
検討 ――「人格」とは?
「総則」の諸原則と「人」
「物権」の構造と「人」
「合同」の姿と「人」
小括 ――「人」への問い
「憲法」と「人」
「党」と「人」
「人格権(編)」のインパクト
パート2 法学のアプローチとしての史学・哲学
1 日本法史(前近代)松園潤一朗
◆ 日本近世における法観念
近世法の特徴
法の内容
慣習の諸形式と法
政治思想と法
法観念の近代的転換
2 日本法史(近代)松園潤一朗
◆ 民事訴訟法の成立と展開
西洋における民事訴訟法
法典成立以前 ――民事訴訟の形成
テヒョー草案の作成
民事訴訟法(明治民事訴訟法)の制定
大正改正法の成立
戦後の法改正へ
3 西洋法史(ローマ)渡辺理仁
◆ 現代法の統一的基盤
王政時代(紀元前8-6世紀)
共和政時代(紀元前6-1世紀)と十二表法
政務官による法創造(名誉法)
元首政時代(紀元前1-紀元3世紀)
専制君主制と「市民法大全」の編纂(3-6世紀)
ローマ法の特徴 ――法学者の支配
ローマの法思想 ――平等、法と道徳の分離、個人主義
ローマ法の体系 ――人・物・訴権
4 西洋法史(ビザンツ)渡辺理仁
◆ もうひとつのローマ法
ユスティニアヌス以降(6-8世紀)の国家法と教会法
マケドニア朝期(9-10世紀)の国家法と教会法
マケドニア朝期以降(11-12世紀)の国家法と教会法
ビザンツ法の特徴 ――「市民法大全」の影響力、手引の重視
ビザンツ法の影響
5 西洋法史(ゲルマン)勝又崇
◆ 「ゲルマン法」を考える
現代ドイツの判例に見る「ゲルマン法」
裁判官の承認なき後見人による自由剥奪の合憲性
遺留分の合憲性
刑罰による近親相姦の禁止の合憲性
国内法人の登記
妨害排除への賃借人の忍容義務
「ゲルマン人」の登場
古代から中世へ
法継受からドイツ私法まで
歴史法学派のゲルマニステンによる「ゲルマン法」の構築
ナチスと戦後の「ゲルマン法」概念への批判
「ゲルマン法」概念は今でも有用か
6 法哲学安馨
◆ 法概念論の一歩手前まで
「開かれた問い」論証
道徳的判断のテトラレンマ
法的判断のテトラレンマ?
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