至誠堂書店

学術選書 循環型人権システム 憲法・国際人権法・人権法

学術選書 循環型人権システム 憲法・国際人権法・人権法

販売価格: 7,480円 税込

数量
著者
江島晶子・著
発行元
信山社
発刊日
2025-03-27
ISBN
978-4-7972-8287-0
CD-ROM
無し
サイズ
A5判上製 (344ページ)


◆21世紀型の人権保障システムとは―「多元的・非階層的・循環的人権保障システム」(循環型人権システム)の構想



比較実証研究を基礎として、憲法が想定する人権実施システム(統治機構)と、人権条約が想定する人権実施システム(条約機構)の接合によって、人権をより実効的に保障できるシステムの構築を試みる。


【目 次】

・はしがき

■イントロダクション

◇第Ⅰ部 ヨーロッパにおける多層的人権保障システム◇

◆第1章 ヨーロッパにおける多層的統治構造の動態

Ⅰ はじめに
Ⅱ ヨーロッパ・レベルの統治構造
 1 人権の国際的保障とヨーロッパ人権条約
 2 ヨーロッパ評議会の統治構造
 (1) ヨーロッパ評議会の特性
 (2) ヨーロッパ評議会の機構(概要)
 (3) EUとの関係
 3 ヨーロッパ人権裁判所の現在
 (1) 申立件数の急増とそれに対する対応
 (2) 判決の執行
 (3) ヨーロッパ人権裁判所判例の特徴
 (4) ヨーロッパ人権裁判所の機構改革― ヨーロッパの「憲法裁判所」?
Ⅲ ヨーロッパ人権裁判所の判例法形成が各締約国に及ぼす影響
 1 分析視角― 多層的人権保障システム(モデル)の提示
 2 ヨーロッパ人権裁判所と締約国(政治部門と法部門)
 (1) 受 容
 (2) 新たな規範の可能性
 (3) 衝突・無視
 (4) 「対話」
 (5) 尊 重
 3 多層的人権保障システムの評価
Ⅳ おわりに―グローバル・モデルとしての多層的人権保障システムの可能性

◆第2章 グローバル・モデルとしての比例原則

Ⅰ はじめに
Ⅱ 比較憲法の国際的隆盛
Ⅲ 最高裁判所と審査基準論―アメリカ型審査基準とドイツ型比例原則
Ⅳ ヨーロッパ人権裁判所における比例原則
 1 人権条約における比例原則の淵源―比例原則と評価の余地
 2 人権条約の規定形式と比例原則
 3 人権条約の適合性審査における比例原則
 (1) 比例原則の萌芽と発展
 (2) 人権条約8-11条(qualified rights)における審査方法と比例原則
Ⅴ イギリス1998年人権法と比例原則
 1 適合的解釈・不適合宣言とヨーロッパ人権裁判所判例法
 2 比例原則の採用と意義
 (1) Wednesbury原則から比例原則へ?
 (2) 比例原則とDaly判決
 (3) 比例原則に対する評価
 (4) 人権法をめぐる状況の変化
Ⅵ おわりに

◆第3章 イギリス憲法の「現代化」とヨーロッパ人権条約の交錯

Ⅰ はじめに
Ⅱ ヨーロッパ人権条約における発展―ヨーロッパ人権条約の「憲法化」?
Ⅲ 「ヨーロッパ人権条約+1998年人権法」がイギリス憲法に及ぼした影響
 1 1998年人権法の特徴― ヨーロッパ人権条約の国内法上の地位
 2 人権の保障形式(統治機構)の「現代化」
 3 「ヨーロッパ人権条約+1998年人権法」の影響の評価
Ⅳ 「ヨーロッパ人権条約+1998年人権法」による摩擦と対話
 1 政府(内閣)
 2 議 会
 3 裁判所
Ⅴ おわりに

◆第4章 多層的人権保障システムのレジリエンス―「自国第一主義」台頭の中で

Ⅰ はじめに
Ⅱ 多層的人権保障システム
 1 ポイント
 2 意義と問題点
Ⅲ ヨーロッパ人権条約のレジリエンス
Ⅳ ヨーロッパ人権裁判所とイギリス
 1 対 話
 2 無視―受刑者の選挙権
 3 衝突―テロリズム
Ⅴ 1998年人権法のレジリエンス
Ⅵ おわりに

◆第5章 人権実現における議会の新たな役割―イギリス人権合同委員会を手がかりに

Ⅰ はじめに―人権実現における議会のポテンシャル
Ⅱ 人権合同委員会設立の背景―1998年人権法の誕生
Ⅲ 人権合同委員会の権限
 1 概 要
 2 法案の検討
 3 裁判所の判決に対する対応
 4 人権条約のモニタリング
 5 テーマ別調査
 6 法律顧問
Ⅳ 人権合同委員会と他の機関の関係
Ⅴ 人権合同委員会とヨーロッパ評議会
Ⅵ 人権合同委員会の意義と課題
Ⅶ おわりに

◇第Ⅱ部 日本における多層的人権保障システム◇

◆第6章 裁判所による適用から統治機構による実現―多層的人権保障システムの視点から

Ⅰ はじめに
Ⅱ 問題点
Ⅲ 多層的人権保障システムからの検証
 1 差別的言動解消法
 (1) 差別的言動解消法制定直後
  (a) 地方自治体
  (b) 裁判所
  (c) 行政機関
 (2) 差別的言動解消法制定前
  (a) 地方自治体
  (b) 裁判所
  (c) 行政機関
 2 規制消極論
Ⅳ おわりに

◆第7章 グローバル化社会と「国際人権」

Ⅰ はじめに― 「国際人権」とは
 1 国際人権と国内人権─国内実施の重要性
 2 人権救済手段のグローバル化
Ⅱ 日本における国際人権条約の国内実施
Ⅲ 2013年最高裁違憲決定における外国法と国際人権法
Ⅳ トランスナショナル人権法源論の検討
Ⅴ 多層的人権保障システムの実践例―問題の持続的循環
Ⅵ おわりに

◆第8章 「グローバル人権法」の可能性―2019年1月23日最高裁決定補足意見を契機として

Ⅰ はじめに
Ⅱ 最高裁判所における国際人権法
 1 沈黙期
 2 2008年判決
 3 2013年決定
 4 2015年判決
Ⅲ 多層的人権保障システムの利点―2019年補足意見を契機として
Ⅳ おわりに

◆第9章 立憲主義と国際社会―「立憲」におけるインタラクションとnew concept/conceptionsの生成

Ⅰ はじめに
Ⅱ 国内立憲主義と国際立憲主義の接合点
 1 国際人権法
 2 国際社会と日本国憲法制定
 3 国際立憲主義
Ⅲ 国際立憲主義/国際法の「立憲化」
Ⅳ 日本における立憲主義
 1 司法審査の変遷
 2 問題の所在―統治機構全体の問題としてとらえる
Ⅴ 憲法学からの応答
Ⅵ おわりに

◇第Ⅲ部 多元的・非階層的・循環的人権保障システム◇

◆第10章 憲法と「国際人権」―国際システムと国内システムの共生

Ⅰ はじめに
Ⅱ 「国際人権」とは
Ⅲ 国際法学における「国際人権」
Ⅳ 憲法学における「国際人権」
Ⅴ 「国際人権」と「国内人権」―内容および実現手段(法システム)
 1 人権の内容
 2 実現手段(法システム)
Ⅵ おわりに

◆第11章 憲法を「人権法」にする触媒としての国際人権法―憲法解釈を行う国家機関の設計・作法における「国際標準化」

Ⅰ はじめに―新たな視点を求めて
Ⅱ 「憲法解釈基準の国際標準化」に潜む難所
 1 裁判指向の弊害
 2 「国際標準」(国際基準)と国内基準の比較(不能性)
Ⅲ 統治機構の人権保障的再構築
Ⅳ 国際基準創出プロセスとの接合
 1 接合の局面
 2 接合するメリット
Ⅴ おわりに

◆第12章 権利の多元的・多層的実現プロセス

Ⅰ はじめに
Ⅱ 背 景
 1 日本公法学会における国際人権法・国際人権条約
 2 憲法学と国際人権条約
 (1) 通説・判例・実務
 (2) 世界的動向
 (3) 日本の憲法学の応答
Ⅲ 憲法と国際人権条約の関係
 1 憲法が保障する権利と国際人権条約が保障する権利
 2 国際人権
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