至誠堂書店

学術選書 法・国家・知の問題

学術選書 法・国家・知の問題

販売価格: 8,360円 税込

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著者
嶋津 格・著
発行元
信山社
発刊日
2025-04-30
ISBN
978-4-7972-8292-4
CD-ROM
無し
サイズ
A5判上製 (276ページ)
◆信頼の著者による待望の第2弾!―「明我」(Articulate I)の背後に「暗我」(Tacit I)を見たことで、ポパー的世界からハイエク的世界へと脱出◆

【目 次】

・はじめに―所収論文の概要など

◆第Ⅰ部 移民・イスラム・米国左翼・動物・尊厳死◆

◆第1章 移民の奔流と国民国家―米国の移民問題を中心に

 はじめに―移民・国境・国民
 第1節 米国の南側国境をめぐって
 第2節 我々は誰なのか
 第3節 ヒスパニックは人為的に作られたカテゴリー
 第4節 若干の理論的考察
  1 リバタリアン的な解決
  2 アイデンティティの集合的選択
 おわりに―自由民主主義の普遍性如何をめぐって

◆第2章 自由主義は反自由主義を包摂できるか―アヤーンとチャンドラン

 第1節 問題状況
 第2節 ムスリム社会の反自由主義―アヤーン・ヒルシ・アリ
 第3節 寛容の自由主義―チャンドラン・クカサス
 第4節 残されているもの
【後記】

◆第3章 実証主義的な知の概念が生みだす哲学的混乱―ポストモダニズムから現代の米国左翼まで

 第1節 米国の大学キャンパスにおける言論の不自由
  1 安心空間(safe space)
  2 引き金警告(trigger warning)
  3 偏見通報ホットライン(bias reporting hotlines)
  4 登壇拒否(no-platforming)
 第2節 規制理念としての真理と実証主義―知は「獲得」できるのか
 第3節 米国左翼の急進主義へとつながるポストモダニズム(PM)
  ・PMの3期と貫通する2つの原理
  ・第1期 オリジナルPM
  ・第2期 応用PM
  ・様々な分野における応用PM
  ・第3期 実物化されたPM
 第4節 【後記】米国のイデオロギー的「分断」とその経緯
  ・ヘルベルト・マルクーゼ(1898-1979)―革命
  ・アンジェラ・デーヴィス(1944-)―人種
  ・パウロ・フレイレ(1921-1997)―教育
  ・デリック・ベル(1930-2011)―権力

◆第4章 動物保護の法理を考える

 第1節 モラル・ウェイト
 第2節 一元論
 第3節 立法先行型のアプローチ

◆第5章 外的根拠としての弱者保護は正義か―尊厳死法またはNatural Death Actをめぐって

 第1節 ファインバーグの場合
  ・真夜中の交差点
  ・禁酒法
  ・死刑廃止
 第2節 尊厳死法制化への反対
 第3節 Natural Death Seeker
 第4節 NDS(自然死を求める者)vs.TW(弱き者たち)
 第5節 寛容論

◆第Ⅱ部 法と哲学―その1 私法中心の法概念など◆

◆第6章 正しさを語る教育―司法改革のために(2001年)

 第1節 社会改革としての司法改革―「法の支配する社会」を求めて
  1 法概念が前提する秩序構想と「正義感覚への依拠」
  2 「正しさを語る社会」のイメージ
  3 いくつかの実践的示唆
  ・条文を被説明項として扱うこと
  ・「不当判決」の例外化
  ・国民的教養としての法学教育
  ・行政改革との関連
  ・権利と責任
  ・利益団体と法
 第2節 正しさを語る教育について―司法改革と初中等教育(2001年)
 第3節 国民への法学教育―小中学校での実験授業など(2004年)
  1 体育実技のようにして
  2 正解発見と合意
  3 法=権利と説明
  4 ささやかな経験―その1
  5 ささやかな経験―その2
   6 権利と裁判―まとめにかえて

◆第7章 開かれた帰結主義再論

 第1節 義務論
 第2節 功利主義
 第3節 開かれた帰結主義
 第4節 競争の倫理

◆第8章 実定法と啓蒙

 第1節 日本の近代化と法学―啓蒙の根拠
 第2節 民法の場合
  1 信条と行動
  2 民法と社会秩序
  3 発見過程としての競争
 第3節 進歩的啓蒙について

◆第9章 法の権威を立法の権威に解消することの愚かさ

 第1節 立法論と法の概念
 第2節 私法中心的法概念
 第3節 自然法論
 第4節 法の権威
 第5節 価値多様性下の自律と代表制民主主義

◆第10章 検察と政治を考える―検察官は東山の金さんでいいのか

 第1節 「検察ファッショ」?
 第2節 検察と権力
 第3節 法の支配―信じる者は救われる?
 第4節 検察の政治
 第5節 他の問題―情報リークは悪なのか

◆第Ⅲ部 法と哲学―その2 評価・応答・論争◆

◆第11章 明晰さの探求は成ったか―碧海先生の哲学世界とその外部

 第1節 否定される種類の哲学
 第2節 否定のための理論的基礎とその変遷
 第3節 実証主義と教養

◆第12章 常識を疑うための異形の入門書―亀本洋著『法哲学』

◆第13章-1 高橋文彦:わからないことほど素朴に考えよう―嶋津格『問いとしての〈正しさ〉』を論評する

 はじめに
 第1節 嶋津法哲学の諸原理と全体像
  1 発見主義
  2 信頼アプローチ
  3 実行可能性
  4 開かれた帰結主義
 第2節 嶋津法哲学の基本方針と個別的な疑問点
 おわりに

◆第13章-2 嶋津格:高橋文彦評へのリプライの試み

  1 実行可能性と発見
  2 信頼アプローチと実行可能性論
  3 実行可能性は「基準」か―開かれた帰結主義
  4 規範的法価値論

◆第14章 論争としての法哲学―笹倉秀夫『法思想史講義 上・下』

 第1節 発展史観と法思想史
1 はじめに
2 法の支配
  3 社会契約論と法概念
  4 市場の理解
  5 歴史・価値・思想史
  6 ア・プリオリな総合
  7 フェミニズム
 第2節 笹倉応答へのコメント(replication)
  1 法の支配
  2 社会契約論と法概念
  3 市場論
  4 歴史・思想史
  5 存在の段階説

◆第Ⅳ部 ポパーを契機に◆

◆第15章 無知の知をめぐる考察

 第1節 「知る」の文法
 第2節 『テアイテトス』の読み方
 第3節 ポパーの場合
 第4節 無知の知

◆第16章 「開かれた社会」は開いているか

 第1節 後知恵として
 第2節 「閉じた社会の理論」vs. 民主主義
 第3節 「開かれた社会」論
 第4節 経済的介入主義
 第5節 どれほど開いているか

◆第17章 進化論ヴァリエーション

◆第18章 進化論的認識論と非言語的要素

 第1節 論理と心理
 第2節 ポパーの場合
  1 基礎言明
  2 反証仮説
  3 理論の枯渇
 第3節 進化論と世界2(心理)
 第4節 「開けゴマ」
 第5節 「合理主義」の成功とその背後

◆第19章 発見の論理と心理―ポパー理論の批判的検討に向けて

 第1節 はじめに
 第2節 科学における発見の論理
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