人口減少時代に入り、不動産需要の減少が予想される現在、不動産の管理のあり方に注目が高まっている。本書では、不動産ガバナンスという観点から、関連する法制度の現状、技術的な進展、先行する実践例などを紹介し、今後の展望を読者に提供する。

目次
序　章　不動産ガバナンスの課題（城山英明、中島弘貴）

第１部　実態論
第１章　多主体協働と土地ガバナンスの課題――所有者不明土地問題からの検討（吉原祥子：東京財団政策研究部マネージャー）
第２章　不動産テックからみる空き家・地方物件の流通・利活用（成本治男：弁護士［TMI総合法律事務所］）
第３章　カーボンニュートラルとネイチャーポジティブに対応する不動産のあり方（松橋啓介：国立環境研究所社会システム領域地域計画研究室長）
第４章　経済学から見た空き家問題（林　正義：東京大学大学院経済学研究科教授）

第２部　ツール論
第５章　土地所有の主体・客体・時間軸の拡張――現代的土地所有権論の素描（松尾　弘：慶應義塾大学大学院法務研究科教授）
第６章　住宅を人の手に取り戻す――組合所有の使用権型コハウジングの可能性（吉村有司：東京大学先端科学技術研究センター特任准教授）
第７章　老朽区分所有建物の更新と多様化する法制度（鎌野邦樹：早稲田大学名誉教授）
第８章　循環型社会のための建築インフィル・システムの動産化（野城智也：東京都市大学学長／東京大学名誉教授）

第３部　社会システム論
第９章　縮減社会における負動産管理（金井利之：東京大学大学院法学政治学研究科教授）
第10章　離散的ガバナンス――事物連関の離合集散のデザイン（中島弘貴）
第11章　不動産データにおける「ガバナンス」のあり方（武藤祥郎：国土交通省都市局国際・デジタル政策課長）

終　章　不動産ガバナンスの未来（浅見泰司、中島弘貴）