判例タイムズ1535号 第17回 医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム 他

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論文目次
第17回 医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム……5
事例を題材にした訴訟運営,判断の在り方の研究[大阪刑事実務研究会]
法律概念(正当防衛)が問題となる事案について
三村三緒・神原浩……41
判例目次
■最高裁判例
行政|
最高裁第三小法廷令7.1.28判決
1 千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例(昭和49年千葉県条例第55号)の議員定数配分規定の適法性
2 千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例(昭和49年千葉県条例第55号)の議員定数配分規定の合憲性……57
民事|
最高裁第一小法廷令7.3.3決定
民法709条の不法行為を構成する行為は宗教法人法81条1項1号にいう「法令に違反」する行為に当たるか……65
最高裁第二小法廷令6.12.23判決
1 プロバイダ責任制限法(令和3年法律第27号による改正後のもの)5条2項の規定は,権利の侵害を生じさせた特定電気通信及び当該特定電気通信に係る侵害関連通信が令和3年法律第27号の施行前にされたものである場合にも適用されるか
2 インターネットを利用した情報ネットワーク上のアカウントにおいて他人の権利を侵害する投稿がされた後,上記投稿をした者によって上記アカウントにログインするための通信がされた場合において,上記通信が,上記投稿との関係で,プロバイダ責任制限法施行規則5条柱書きにいう「侵害情報の送信と相当の関連性を有するもの」に当たるとされた事例
3 インターネットを利用した情報ネットワーク上のアカウントにおいて他人の権利を侵害する投稿がされた後,上記投稿をした者によって上記アカウントにログインするための通信がされた場合において,上記通信が,上記投稿との関係で,プロバイダ責任制限法施行規則5条柱書きにいう「侵害情報の送信と相当の関連性を有するもの」に当たるとはいえないとされた事例……70
知的財産|
最高裁第二小法廷令7.3.3判決
1 動画共有サービスを提供するため,米国所在のサーバからインターネットを通じてユーザが使用する我が国所在の端末にプログラムを配信することが,特許法2条3項1号にいう「電気通信回線を通じた提供」に当たるとされた事例
2 動画共有サービスを提供するため,米国所在のサーバからインターネットを通じてユーザが使用する我が国所在の端末にプログラムを配信することが,特許法101条1号にいう「譲渡等」に当たるとされた事例……78
最高裁第二小法廷令7.3.3判決
動画共有サービスを提供するため,米国内でウェブサーバ及びコメント配信用サーバ等の設置管理をしているYが,上記ウェブサーバからインターネットを通じてユーザが使用する我が国所在の端末にファイルを配信することにより,上記端末と上記コメント配信用サーバ等とを含むシステムを構築することが,特許法2条3項1号にいう「生産」に当たるとされた事例……101
刑事|
最高裁第二小法廷令7.2.7判決
1 道路交通法(令和4年法律第32号による改正前のもの)72条1項前段の義務を尽くしたといえる場合
2 道路交通法(令和4年法律第32号による改正前のもの)72条1項前段の義務に違反したとされた事例……115
■下級審判例
高裁判例
行政|
東京高裁令6.9.26判決
1 公益法人等が収益事業以外の事業に属する資産として取得した有価証券を普通法人に移行した後に譲渡した場合における法人税法61条の2第1項2号の譲渡原価の額が法人税法施行令119条の2第1項1号により取得価額とされた事例
2 公益法人等が普通法人への移行前に減価償却資産について計上した減価償却費の金額が,損金経理額について定めた法人税法31条4項の「所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額」に当たり,旧定率法による償却限度額について定めた法人税施行令48条1項1号イ(2)の「既にした償却の額で各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額」には当たらないとして,当該減価償却資産の取得価額に基づいて償却限度額を計算すべきとされた事例……119
民事|
高松高裁令7.4.18判決
1 消滅時効の期間内に民法150条1項の催告が複数回されても,同条2項の「再度の催告」には当たらないとした事例
2 消滅時効の期間内に民法150条1項の催告が複数回された場合,同項の6か月の期間は最後の催告がされた時点から起算されるとした事例……137
東京高裁令6.11.12判決
対人保険契約に基づき交通事故の被害者に示談金を支払った対人社が,被害者との間の人傷保険契約に基づき被害者に人身傷害保険金を支払った人傷社に対し,人傷社は被害者に代位できる範囲を超えて加害者側が加入する自動車損害賠償責任保険の引受会社である自賠社から自賠責保険金の支払を受けたと主張して,不当利得返還を請求し,同請求が認容された事例……144
広島高裁松江支部令6.9.18判決
地方公共団体から譲渡を受けた温泉施設を運営している法人が,温泉施設の不具合について,売主である地方公共団体に対して瑕疵担保責任(平成29年法律第44号による改正前の民法570条)等に基づく損害賠償請求をしたが棄却された事例……154
名古屋高裁令6.5.30判決
1 地方検察庁の次席検事が県の教育委員会に対して不起訴処分の理由が「起訴猶予」であることを書面で知らせたことが違法であるとして,国に5万円の損害賠償金等の支払を命じた事例
2 「起訴猶予」という不起訴処分の理由は,検察官が「被疑事実が明白」であると判断したということであり,これが明らかにされることは,被疑者にとって重大な不利益が生じるもので,検察官の判断が誤っている可能性があるのに,被疑者にとってこれを争う手段がないものであるから,法律の規定に基づくことなく,被疑者の承諾なしに,これを検察庁の外部に明らかにしてはならない性質のものである
3 「起訴猶予」(被疑事実が明白)という不起訴処分の理由の提供は,これを争う手段のない被疑者の名誉,信用,プライバシー等の権利利益が侵害されるから,行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律8条2項ただし書の本人の「権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるとき」に該当する……161
民事|(家事事件)
東京高裁令7.3.4決定
別居中の夫婦間において,主たる監護者である妻が未成年者らを連れて夫と別居したが,妻に不貞行為があり,妻の監護下における未成年者らと不貞相手との関係のさせ方等に不適切な点があることが考慮され,夫が監護者に指定された事例……174
知的財産|
大阪高裁令7.2.27判決
映画の脚本原稿に係る著作者人格権(同一性保持権)侵害の不法行為の成否が争われたが,脚本原稿の改変が著作権法20条1項の「意に反する改変」ではなく同一性保持権の侵害に当たらないとされた事例……180
刑事|(少年事件)
福岡高裁宮崎支部令6.11.5決定
適正に少年の処分を決めるためには,観護措置中に精神鑑定を実施するなどして非行時の精神状態を慎重に判断する必要があったというべきであり,原審判には,必要な審理を尽くしていないという合理的裁量を逸脱する法令違反があり,それが決定に影響を及ぼすことは明らかであるとして,第3種少年院送致(収容期間3年間)とした原決定を取り消し,事件を原審に差し戻した事例……188
地裁判例
行政|
東京地裁令6.11.14判決
夫が名古屋出入国在留管理局収容中に原因不詳の内因死により死亡した場合において,同所及びその直前に入所していた名古屋拘置所におけるその収容時の健康状態,診察内容,服薬状況及び食事内容等の個人情報は,遺族である妻に係る個人情報の保護に関する法律76条1項所定の「自己を本人とする保有個人情報」に当たる……192
札幌地裁令6.3.15判決
町職員の原告が1か月123時間を超える時間外勤務を行うなどして抑うつ状態(適応障害)を発症したことにつき,原告の業務内容は質的にも量的にも過重であったことから,認定基準にいう「準ずるような業務による負荷があったと認められる場合」に当たるとし,業務による強度の精神的・肉体的負荷があったと認めて公務起因性を肯定した事例……200
労働|
東京地裁令6.2.26判決