高齢者法と成年後見制度 自己決定の尊重に向けて

高齢者法と成年後見制度 自己決定の尊重に向けて

販売価格: 4,620円 税込

著者
西 希代子・編著 上山 泰/前田 泰/佐々木育子/樋口範雄/藤村賢訓/黒田美亜紀/朴 仁煥・著
発行元
恒春閣
発刊日
2026-02-25
ISBN
978-4-910899-33-6
CD-ROM
無し
サイズ
A5判 (268ページ)
◆成年後見を中心とした高齢者をめぐる法制度をテーマに、現状と課題、そして今後のあるべき姿に関する論考を複数掲載しています。
◆意思決定支援を重視する制度への法改正の方向性や、より利用しやすい制度の確立に向けて、他国の視点を踏まえ、具体的事例も交えつつ提言しています。

目次
第1 はじめに──成年後見制度は高齢者法のメインテーマか
第2 超高齢社会の現状
 1 世界一の超高齢社会
 2 利用されていない成年後見制度
第3 米国高齢者法における成年後見
 1 高齢者法から見た成年後見
 2 成年後見の代替的手段
第4 成年後見制度のさらなる改革に向けて
 1 成年後見の相対化――成年後見偏重の見直し
 2 任意後見の利用拡大に向けて


□成年後見制度の脱家族化と社会化
 ――制度改正の社会的背景
    新潟大学法学部教授 上山 泰

第1 はじめに
第2 制度の利用状況
 1 利用件数の推移
 2 申立件数の推移
第3 利用者像(本人像)
第4 支援者像
 1 申立人の供給母体
 2 主要な申立人類型の推移
 3 申立てにおける社会化と脱家族化
 4 法定後見人の供給母体
第5 成年後見人による不正
第6 結びに代えて


□成年後見制度と能力論
 ─障害者権利条約の視点から─
    群馬大学名誉教授 前田 泰

第1 はじめに
 1 本稿の目的
 2 「法的能力(legal capacity)」に関する障害者権利条約の懸念と勧告
 3 本稿の構成
第2 障害者権利条約における法的能力
 1 条約の内容と効力
 2 締約国の解釈
 3 障害者権利委員会の見解(一般的意見第1号(2014年))
 4 障害者権利委員会の見解の効力
 5 障害者権利条約の基本理念と本稿の作業
第3 わが国の成年後見制度・能力論と障害者権利条約
 1 はじめに
 2 成年後見を開始する原因としての「事理弁識能力を欠く常況」
 3 意思能力
第4 おわりに


□任意後見制度の実践と法改正への期待
  ~具体的な事例をもとにして
    弁護士 佐々木 育子

第1 はじめに
第2 任意後見制度や遺言制度を活用した事例の紹介
 1 【事例1】霊感商法被害に遭ったAさんの事例
 2 【事例2】お子さんのいない70代夫婦BさんとCさんの事例
 3 【事例3】幼少時に子どもと生き別れとなった70代女性Dさんの事例
第3 受任者の立場から見た任意後見制度の課題と法改正の方向性
 1 おひとりさまでも安心して暮らせる社会を実現するために
 2 適格性のある受任者の受け皿の不足の問題
 3 二重の報酬負担問題と公的な費用助成の必要性
 4 任意後見契約の柔軟な変更と法定後見との併存問題
 5 医療同意の問題
 6 自宅住所や戸籍姓が公開されてしまう問題
 7 適切な任意後見受任者に関する情報提供システムの問題
第4 より利用しやすい任意後見制度を目指して


□アメリカ法から見た日本の成年後見制度
    東京大学名誉教授 樋口 範雄

第1 認知障害者と法的対応――保護か自律かという過ち
 1 わが国の成年後見制度の現状と課題
 2 認知障害者と成年後見制度――保護か自律かという問いの過ち
第2 アメリカにおける成年後見制度――後見から支援された自己決定へ
 1 統一州法によるアメリカのモデル――2017年法まで
 2 2017年統一州法と背景にある判決
第3 アメリカ法から見た日本の成年後見制度
第4 結 び


□イギリスの成年後見制度
 ―後見人による決定過程の合理性基準を視座に―
    福岡大学法科大学院教授 藤村 賢訓

第1 はじめに
第2 英国MCA2005による意思表出困難者に対する支援法理
 1 基本原理と支援型意思決定
 2 代行決定と最善の利益
 3 MCAが規律する決定・支援制度
 4 具体的制度設計(現行制度)
第3 英国ケア法(Care Act 2014)が規定するケアの決定の合理性に関する独立代弁人(Independent Advocacy)
 1 一般原則(基本理念)
 2 判断困難者(vulnerable adults)に対する支援
 3 IMCA及びICAAを介した支援型意思決定プロセス
 4 身体に対する自由権の保障
第4 スコットランドにおける意思決定代行法制
 1 継続的代理権(Continuing Power of Attorney)AIA s.15
 2 福祉代理権(welfare power of Attorney)AIA s.16
第5 まとめと日本法への示唆
 1 英国法の制度設計と決定の合理性確保
 2 日本法への示唆(今後の改正への課題)


□ドイツの成年後見制度における「本人意思の尊重」のあり方について
    明治学院大学法学部教授 黒田 美亜紀

第1 はじめに
第2 世話制度の変遷
第3 2023年改正の内容
 1 改正の背景と「本人の意思」優先の徹底
 2 被世話人の自己決定の保障
 3 世話人の役割
 4 世話裁判所による監督
第4 世話官庁の役割
 1 予防的支援の提供
 2 ソーシャルレポートの作成
 3 拡大支援(erweiterte Unterstützung)
 4 世話に関するネットワークの構築
第5 事前配慮代理権制度
 1 機能と設定
 2 任意代理人の監督
 3 他の制度との関係
第6 おわりに
 1 ドイツの制度の特徴
 2 わが国の制度に対する示唆
 3 まとめ


□韓国における高齢者の自律尊重と支援
    仁荷大学法学専門大学院教授 朴 仁煥

第1 序 論──韓国社会の高齢化と高齢者問題
第2 韓国の成年後見制度
 1 韓国の成年後見制度の意義と特徴
 2 成年後見制度の施行に対する評価
 3 身上決定の代行
 4 被成年後見人の権利に対する手続保障
第3 成年後見パラダイムの転換と意思決定支援の課題
 1 国連障害者権利条約第12条の成年後見パラダイムの転換
 2 障害者権利条約第12条の観点からの成年後見制度の改革課題
第4 後見代替手段
 1 後見契約の利用不振と活性化課題
 2 後見支援信託と公的財産管理支援サービス
第5 結 び
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