法と哲学【第5号】

法と哲学【第5号】

販売価格: 3,740円 税込

著者
井上達夫・責任編集
発行元
信山社
発刊日
2019-07-03
ISBN
978-4-7972-9865-9
CD-ROM
無し
サイズ
A5判 (248ページ)
学術世界の未来を拓く、研究雑誌。本号も、第一線の執筆陣が一堂に集い、〈面白き学知〉を創発
東京五輪を前に特集として喫煙を取り上げ(「タバコ吸ってもいいですか?」)、哲学的見地から「喫煙規制と自由の相剋」を、3人の論者が考究(奥田、後藤、亀本)。井上の巻頭言は、国民投票について考える「虚偽が真実に勝つのか?〔続篇〕」。一般論説(小川、宋)2編と、書評+応答的書評の3編(安藤、小林、瀧川)も益々充実。法と哲学のシナジーによる〈面白き学知〉の創発を目指す。 【目 次】

<巻頭言>虚偽が真理に勝つのか?〔続篇〕―国民投票を糾弾する「民主主義者」たちの知的倒錯〔井上達夫〕

◆特集◆タバコ吸ってもいいですか?― 喫煙規制と自由の相剋

◆1 喫煙規制強化に関する倫理学的考察―禁煙の自由を擁護する〔奥田太郎〕

 1 喫煙規制の現状
 2 喫煙規制強化の倫理的正当性
 3 喫煙規制強化に隠された倫理的問題

◆2 医療経済学の立場から見た喫煙行動と喫煙対策〔後藤 励〕

 1 ニコチン依存に対する医学的な見方
 2 経済学から見たアディクション
 3 アディクションの経済理論と喫煙対策

◆3 ある喫煙者の反省文〔亀本 洋〕

 1 喫煙の自由から病気へ
 2 嫌煙権訴訟
 3 危害原理と権利
 4 公衆衛生の立場
 5 喫煙をめぐる社会情勢の変化
 Ⅵ 喫煙者の現在

【一般論説】

◆1 どこまでも主観的な解釈の方法論―規則のパラドックス・暴露論法・説明主義論証〔小川 亮〕

 1 序  論
 2 規則のパラドックス
 3 暴露論法
 4 循環した正当化の擁護
 5 結  語

◆2 擬装から公民へ―ホッブズ主権論における遵法的良心の生成〔宋 偉男〕

 1 良心なき良心という謎
 2 リヴァイアサンと中性国家
 3 「良心の自由」か「宗教的擬装」か
 4 「共に知ること」への誘惑
 5 結  語

【書  評】 

◆1 分析的政治哲学の行方―井上彰『正義・平等・責任』を評して(岩波書店,2017年)〔安藤 馨〕

 1 政治哲学の方法と概念分析
 2 平等の道徳的意義の基礎づけ
 3 非個人的価値としての平等
 4 正義の問題

◆2 形相・質料・関係―山内志朗教授の書評への返答として〔小林 公〕

◆3 地球共和国とその実現可能性について―宇野重規氏への応答〔瀧川裕英〕

 1 はじめに
 2 哲学的アナキズムに対して
 3 問題の重層性
 4 義務感と義務の齟齬
 5 「当為は可能を含意する」とは?
 6 理念・動機・主体
 7 地球共和国へ―権力分立と民主制
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