至誠堂書店

犯罪被害と「回復」 求められる支援

犯罪被害と「回復」 求められる支援

販売価格: 2,970円 税込

数量
著者
伊藤冨士江・編著
発行元
現代人文社
発刊日
2024-06-05
ISBN
978-4-87798-859-3
CD-ROM
無し
サイズ
A5判 (248ページ)


被害者たちの声から支援を考える



「犯罪被害者調査」の結果から、性被害、交通被害、身体的な被害にあった被害者たちの声をまとめ、その貴重な語りをもとに、被害の実態とその影響、必要な支援策、被害後の変化、そして被害者支援への具体的要望などを分かりやすく解説する。また、被害者の声を受けて、刑事司法機関、医療機関、民間支援機関、教育現場は、どのように被害者に対応しているかについて、支援者側の声を提示する。


〇目 次

第1章 犯罪被害に関する制度・施策や支援はどこまで進んだか[伊藤冨士江]
1.犯罪被害にあうとは
2.被害者支援の発展経緯
Column ① 被害者支援創成期を振り返って[山上 皓]
Column ② 被害者参加制度の創設――検察官への意見表明権と検察官による説明義務[髙橋正人]
Column ③ 「第3次犯罪被害者等基本計画」の策定と推進[安田貴彦]

第2章 「被害からの回復」に関する犯罪被害者調査について[伊藤冨士江]
1.犯罪被害者調査の概要
2.インタビュー調査の実施
3.インタビュー結果の分析方法と公表
4.倫理的配慮等

第3章 被害にあった人々の声を聴く[伊藤冨士江]
1.性被害にあった人々の語り
2.交通被害にあった人々の語り
3.身体的な被害にあった人々の語り

第4章 被害者の語りから被害からの「回復」を探る[伊藤冨士江]
1.「心的外傷後成長(PTG)」という考え方
2. PTGと「回復」に関わる語り
3.PTGとして捉えられなかった「回復」に関わる語り
4.被害からの「回復」を促すもの――支援者として求められること
5.被害当事者の自助グループの重要性
Column ④ だれも被害者にも加害者にもならない社会実現のために――あいの会の活動[小沢樹里]
Column ⑤ 沖縄で被害者支援に取り組んで――~犯罪被害者支援~ひだまりの会okinawaの活動[河井(川満)由美]
Column ⑥「ゆるやかな連携」を大切に――犯罪被害者団体ネットワーク「ハートバンド」の活動[鴻巣たか子]

第5章 支援者側からの声を聞く――被害者支援を改善するために
1.警察の立場から/今後の被害者支援活動の展望[奥田暁宏]
2.検察の立場から/検察における被害者支援の取組み[梶 美紗]
3.弁護士の立場から/弁護士と被害者支援[長谷川桂子]
Column ⑦ 被害者参加制度について多角的に考える[平山真理]
4.更生保護の立場から/犯罪被害者等の思いに応える更生保護の実現に向けて[川本悠一]
Column ⑧ 性犯罪者の再犯を防ぐために――更生保護における新たな取組み[伊藤冨士江]
5.精神科医から/より良い被害者支援に向けて[飛鳥井 望]
6.性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターから/性暴力被害者に寄り添う[坂本理恵]
7.病院のソーシャルワーカーから/喪失体験をした家族に寄り添う[牧 祥子]
8.民間支援団体の相談員から/ともに考え、ともに歩む――犯罪被害者支援センターの関わりから[工藤美貴子]
9.教育現場から/スクールソーシャルワーカーから見た学校の被害者対応[横井葉子]

第6章 被害者支援の新たなステージに向けて
[伊藤冨士江]
Column ⑨ 自治体の総合的対応窓口に福祉専門職を置く意味[大岡由佳]
Column ⑩ 自治体における総合的対応窓口の充実に向けて――研究者の視点から[大塚淳子]

おわりに
執筆者一覧
編著者プロフィール

〇編著者プロフィール

伊藤冨士江(いとう・ふじえ)
早稲田大学第一文学部(心理学専攻)卒業。アメリカ合衆国ウィスコンシン州立大学マディソン校ソーシャルワーク大学院修士課程修了。東洋大学大学院社会学研究科社会福祉学専攻博士後期課程修了(社会福祉学博士)。
警視庁(心理職)、警察庁科学警察研究所(心理技官)、聖カタリナ女子大学等の勤務を経て、上智大学総合人間科学部社会福祉学科教授(2020年3月定年退職)。
現在、法務省中央更生保護審査会委員、警察庁犯罪被害者等施策推進会議専門委員、公益社団法人被害者支援都民センター理事、公益財団法人犯罪被害救援基金理事等。

【主な著書】
『司法福祉・実践と展望─少年司法、刑事司法、医療観察、被害者支援─』(編著、ぎょうせい、2021年)
『福祉が世界を変えてゆく─社会の課題に取り組む現場の声』(編著、上智大学出版、2017年)
『司法福祉入門─非行・犯罪への対応と被害者支援』(編著、上智大学出版、2010年)
『わが国におけるソーシャルワーク実践の展開』(編著、川島書店、2008年)
『ソーシャルワーク実践と課題中心モデル』(川島書店、2001年)
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